涙と笑いの運動会
2006.10.02
モモの運動会に行って来ました。今年も雨...
今年も...というのには理由がある。
マルの時から連続4年、この幼稚園に通っているが
4年連続雨になっている(あれ...昨年は晴れたっけ。。)
2年保育なので
そう...私は運動会を予定通りに見たことがないのである。
しかし、今年は幼稚園も考えた。
隣接する小学校の体育館を借りて雨天決行としたのだ。
そして、予想通りの雨が降り、かくして雨に呪われた幼稚園の運動会は
体育館で行われることになった...
最後の運動会。
お日様の下で1度くらい中断や、中止のない運動会を
経験してみたい気持もあったが
モモや私達の家族にとっては、いい面と悪い面があり
総合すると、プラスの面が多かったのでそれはそれで
とても思い出に残るいい運動会になった。
まず、いい面は感覚過敏のモモにとって園庭で裸足で演技する
組体操の練習は一筋縄ではいかなかった。
私は仕事のない日になるとこっそり練習を偵察に行っていた。
あまり派手な色の服を避け、フェンスの色や木々に同化する。
緑色や、茶色の洋服を着て、深く帽子を被った私は
このうえなく怪しかった...
しかし、覗きの..
いや、探偵の素質があるらしく1度も見付かることは
なかった。
モモが足の裏や、半ズボンの太ももにあたる小石が気になって
演技に集中できないことは、リサーチ済みだった。
どうにか改善しようとして家の外で裸足で歩かせたが、
感覚過敏が治るわけでもなく、半ば諦めていた。
その他には、リズム体操などを偵察したのだが
まったくモモはみんなについていけず...
先生の「右、左!」という掛け声とすべて逆に動き、歩くのも逆...
しかし。ダンスは私もできない。
これは仕方がない...でも、右と左を教えることはした。
出来ることはなるべくしてあげたかった。
運動会が近づく2週間前には、偵察をやめた。
どんな形であれ、彼女の精一杯の姿を本番の日に見たかったのだ。
リレーやその他の競技は1度も見ていない。
モモは自分で速いと言っていたが、果たして...
運動会の数日前になり、先生に思い切ってモモの様子を尋ねた。
大丈夫だと思いますよ。一生懸命練習しました。
でも、体育館になると1つ心配があります
リレーのラインが、体育館だとよくわからないらしくて
コースを逸れます。
あと、右と左がちょっと難しいようなので練習してもらえれば...
(やっぱり!!)
...そうですか。もう今更どうしようもない。
リレーのコースはともかく、土の上でやる組体操より、体育館の方が
モモにとってはやりやすいだろう。
入場...。
昨年はあんなに小さかった子供達が、年少さんと共に入ってくる。
モモも同じように成長していた。
私の前を行進して行く、子供達の姿を見ただけで熱いものがこみ上げた。
リズムの演技が始まる。
自分の身体より大きな旗を持って入場してくる年長の子供達。
始まった瞬間から、私の頭は真っ白だった。
席を外していた旦那
にビデオの録画ボタンを押すように言われていたのに
すっかり、そんなことは頭になかった。
2kmの道のりを毎日歩いて往復している子供達。
プールバッグが重いと言って
当番のお母さんに持たせようとしていたっけ。
小さな足で、ヨチヨチ歩いていたあの子供達が
いつの間にかこんなに大きくなって
重そうな大きな旗を振っている。
そして、モモも...
掛け声はないのに、ちゃんと右、左にみんなに合わせて
少し遅れたタイミングではあるが、モモの旗が揺れている。
複雑な交差や、移動した位置も完璧だった。
リズムでは、みんなが踊っている中..
1人直立不動で立ち尽くしているモモが
園ではおなじみだった。
踊りたいのに、どうしてもフリが覚えられずに
動くことができなかったのだ。
やりたくないわけではないことを知っていただけに
その姿を見るたびに辛いものがあった...
そのモモが今、私の目の前でみんなと一緒に動いている。
上手だろうが、そうじゃなかろうが
間違えていようが、遅れていようが
そんなことはどうでもいい。
ここまで来るのに
彼女も先生もかなりの努力が必要であっただろう。
私は、それが嬉しかった。
狭いスペースに溢れかえった人の中で
泣くことはとても恥ずかしく
ずっとこらえていたが
どうしても涙が止まらなかった。
演技は、どんどん進んでいき、組体操になった。
やはり、室内になったことが功を奏し
伸び伸びと演技する姿が見れた。
あの子は、いつブリッジなんかが出来るようになったのだ...
とてもとても低い、シャコタンブリッジだったが
なんとか形にはなっていた。
1つのポーズを決めるたびに得意な顔になり
こっちを見るのだが
自分がどれだけ努力したか見て欲しかったんやなぁ...
と伝わってきてとても嬉しかった。
そして、最後のリレー。
モモは自分で速いと言っていた。
でも、運動が得意とはとても思えなかった私は
相手がよっぽど遅いか転んだのでは...
などと密かに思っていた。
でも、予行を見たママ友達が
「速かったよ!」と、教えてくれたので
ほんのちょっぴりの期待もあった。
でも、室内ではコースどおりに走れない。
それにこの距離の短さ...
モモが本当に速かったとしても
ここではその真偽はわからないだろう
モモは、最下位でバトンを受け取った。
その時点で
そのままコースを間違えずにゴールしてくれれば
それでいいと思っていた。
いや...
その前に、たくさんの努力の証をみせてもらったから
コースを逸れてもそんなことはどうでもいいと思った。
頑張れ!
驚いた...
モモは、本当に速かった。
バトンを受け取った途端...顔が変わった。
あんな闘志に燃えた顔を見るのは初めてだった。
そして、相手が遅かったわけでも
相手が転んだわけでもなかった。
モモは早生まれでチビである。
そのモモが大きな子を抜いた!
最下位から一瞬のことだった!
こんな奇跡があってもいいのだろうか...!!
ものすごい歓声があがった。
オオ〜っ!!
あの子が、生まれて初めてもらった拍手と歓声...
どんな思いで受け止めているの?
あの子、私の娘ですねん!
私は、大声で自慢したかった。
それほど、あの子はカッコよかった。
フォームも素晴らしかった。
「速い子の走り方は違うね〜あれは持って生まれたもんや!」
隣に立っていた誰かの祖父が言う。
またしても
「いや〜私の娘なんです。あの子!」
と言いたい衝動を抑えた。
しかし...夢はそこまでだった
やはり...やってしまった。
モモは、コーナーから逸れて
かなりのインコースを走り
かなりズルめのショートカットでゴールしてしまった。
一瞬のうちに、歓声は笑いにかわり
モモは、逸れたコースからまた走りなおし
結局最下位のゴールとなった。
なんとも、モモらしい結果になってしまったが
あの歓声を私は一生忘れない。

これは、後日モモが描いた「旗のお遊戯」の絵です。

こちらが誇らしげなモモ!
ちなみにこれは予行。


