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逆さの国へ

モモは、どこから仕入れてきたのか


おかあさん、口裂け女○○におるん?
(近所のスーパー)

おかあさん、口裂け女いやだ

おかあさん、口裂け女ご飯たべる?


と、矢継ぎ早に質問をしてくる時間が一日のうちに
必ず、一回はある。



最近の都市伝説ブームで、平成の小学生にもリバイバルか?



私の父は、車で15分ほどの場所にある
同級生の営む床屋さんに通っていた。
そこの床屋さんには、2人の息子がおり
私より一つ上の次男と私は、案外ウマが合い
私は、父について その床屋さんに遊びに行くのが楽しみになっていた。


そして.....
床屋の2階で、私は見つけてしまったんだ....
ハッキリとした時間はわからない。
彼等の部屋からトイレに向かうと、廊下は真っ暗だった。
恐らく、夜だったのだろう。
用を済ませ、ドアを開けると
トイレの電球に照らされ、廊下に落ちている一冊の本が浮かび上がる。
廊下には、雑然と何冊かの本や雑誌が転がっていたが
私は、カーテンの裾からチラリと見える
その小さな本に一瞬で心奪われた。


私は、次男とは友達だったが
そのお兄ちゃんとは、あまり親しくなかった。
お兄ちゃんは、いつも次男に偉そうに振る舞い
私には、ちょっと怖い存在だった。


小さな本を開いてみたい衝動に駆られたが
もし、この本がお兄ちゃんの持ち物だったらどうしようかと思った。
でも、これを兄弟の部屋へ持って行き

見てもいいですか?

と、聞く勇気が私にはなかった。


このチャンスを逃したら、もう この本の正体はわからないだろう。
父に連れられてここへ来るのも、次はいつかわからないのだ。


私は、そっとしゃがみ込み カーテンの下から覗く本の端っこを
自分の足元へ引き寄せた。
人の本を許可無しに開いていいものか、罪悪感で
手が震えた。


それは、 妖怪図鑑のようだった。




水木しげる氏のものではなく、何だか妙にリアルな
劇画チックな妖怪がズラリと並んでいる。



その男は逆さまだった。
逆立ちをしているのでも、ぶら下がっているわけでもない。
手が足で、足が手で 顔は、足の付け根から出ているようだった。

説明は非常に難しいが
内診台に乗った女性の足の形で
その股の間からおっさんの顔が出ていて
それを足代わりについた手で支えているという感じだ。

恐怖の逆さ男.....



息が苦しくなった。
今まで、見聞きした怖いものなんて
この男の恐怖に比べたら、可愛いものだ。
耳なし芳一も、あなたの知らない世界も、口裂け女も
何にも怖くない。



お前も逆さまにしてやるーーーーー!!!


と、男はこちらに向かい叫んでいた。

ひぃぃぃぃ



わっ



兄弟が、私の背後から脅かしてきた。
緊張が頂点に達した私は、声も出せなかった。

次男が震える私の手から 逆さ男を取り上げて
逆さ男について、熱心に語り始めた。



逆さ男に会ったら、何でも逆さまに言わなきゃならないんだよ!


何で?



それは、自分も逆さまにされちゃうからさ~!


すみれ心の声
そうか...お前も逆さまにしてやる!って言ってたもんな...



逆さまにされないようにするのは、どうしたらいいの?


逆さ男の質問に、全部逆に答えれば大丈夫だよ。


俺はカッコいいか?

って聞かれたら、カッコ悪いって言うの?

でも、それって本当のことじゃん。



違うよ。とにかく逆に答えればいいんだよ!



じゃあ、これは何ですか?って聞かれたら

かすで何はれこ って答えるの?




違う違う。その逆じゃないんだよ。
暑いですか?って聞かれたら
寒いです。 って言うの!!

もう、僕の言うことちゃんと聞いてくれないと
すみれちゃん、逆さまにされちゃうんだよ!




お兄ちゃんが

逆さの国へ連れて行かれるかもしれない~!!

と、白目で舌をベローンと出して脅かした。



い....いやだ。

自分が逆さまになってしまうのより、逆さの国へ連れて行かれるのだけは。

私は、必死だった。

自分が、逆さ男に会ってしまった時の対処法は、完璧にしておきたかった。



でもでも、逆さ男が寒いと思っていたら
寒いです。って言ったのが正解になっちゃうでしょ?


私は、そこの部分をはっきりさせておきたかったのだ。
そこは非常に大事だ。


次男は、だんだん不機嫌になってきた。
(その当時の私には、全く気づくことができなかったが)

反対に答えたらいいの!!
男ですか?って聞かれたら女です。って答えればいいの!!
すみれちゃんが女でも男でも、逆さ男の言うことに
反対に答えればいいだけだよ



うん。それは よくわかるんだ....
でもね、わからない質問が来たらどうするのよ....
男や、女だったら、単に反対に答えればいいってわかったけれど


あなたは、優しい? とかだったら.....

優しくないって言っておけばいいのかな?

あなたの家は何色? だったら?

色の反対って何?そんな時には

白の反対って?黒色?それとも 

”ロシ” って言ったらいいのかな?

うわ...でも そんな時にいきなり
 ”とまと” とか ”しんぶんし”って言われたら
反対に答えても逆さまにされちゃうし.......



もういいや、違うことして遊ぼう!と
次男は、別の遊びを提案してきた。
でも、私は どうしても白黒つけたかった。
逆さの国へ行くのだけはごめんだったから
どうしても知っておく必要があった。今夜、私の部屋に
逆さ男が現れるかもしれないのだから。

何をして遊んだのか、一切おぼえていない。


私の頭の中は、逆さ男に遭遇風シミュレーション状態。




しかし、帰り際に


すみれちゃんって、意地悪だよな~。

って、次男にポツリと言われてしまったことをよく覚えている。



小学校の時、私が どうして○○はできるの?
と聞くと、担任は自然現象だな...と答えた。
更に、質問を重ねると、廊下に立たされた。


お前、うるさい....と。




私にとっては純粋な疑問でも、人にとったら
意地悪だったり、うるさかったり。
適当な言葉が見つからなかったのだろうが
いずれにしろ、私の疑問というものは、非常に人を不快にするようだ。
いい機会に、思い出して良かった。
気をつけて生活しなければなるまい。


逆さの国へ連れていかれぬように。



テーマ : 発達障害
ジャンル : 福祉・ボランティア

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非公開コメント

>いずれにしろ、私の疑問というものは、非常に人を不快にするようだ。
 
はははっ。
わたしもこの間、それ=自分の子供時代を思い出していたところ。
でも、「私の疑問は」ってのが、いいわ。
わたしは、「わたしの存在が」だったし、今も思うわ。

で、わたしは、『正座』させられた(^▽^;あはは

ぴーまんさんへ

あーーー。ぴーまんさんもありそうだな(笑)
私は、もちろん存在もなんだけど
何で?っていうのが、未だに口癖で
それが、口癖なんだと知ったのも、昨年くらいで
ついでにその口癖が、非常に人を不快にしているらしいことを
知りました。 遅....
そういう時の私は、真剣だから 特に怒った顔をしているらしく
いわゆる”感じの悪い”人間なんだそうです。

正座もあったけど、机ごとベランダとか....あはは
外では、弟や妹が体育していて
丸見えでした。
きょうだいに、申し訳ない姉でした。

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