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今、ここにいる奇跡 6

あれから、何年経ったのだろう




私は、海外のとある国へ行った。


この旅は、ちょっとした手違いの連続だった。


まず、出発予定日がズレた。

そして、出発直前になり
コースの変更があったという。
(詳しいことは聞かされていない。)


その国での移動は、飛行機も利用したが
殆どが車か列車だった。
列車では
どこまでもどこまでも同じ景色が続く
この国の壮大さに、心打たれた。
(何たって三国志が大好きだからね。)


車に乗っても、列車に乗っても
日本では、あまり体感できないような揺れとスピードに
滞在数日を経て、ようやく身体が慣れてきた頃だった。

んん?何だか.........???
速度が変わったような....

列車は、駅の手前でもないのに
突然 スピードを緩めたように感じた。


そして、長く大きな汽笛を鳴らした。


物悲しい汽笛が鳴る中で


ガイドさんが、沈痛な面持ちと
たどたどしい日本語で

「ココノアタリ 事故現場です。」
と 告げた。

口をすぼめるように話すのは
慣れない日本語だからなのか?
それとも、母国語でもそのような
特徴的な話し方をする人なのだろうか?

私は、ガイドさんの言葉よりも
その口元に注目していたため
周囲よりほんの少し、事態を理解するのが遅れた。

え.....?


思わず手を合わせた私達は
言葉も無かった。

少し出遅れた黙祷をささげながら
数日前に目にしたばかりのあの凄惨な映像が
はっきりと脳裏に蘇る。


まるで叫び声のようにも聴こえる汽笛は
私の脳内でいつまでも鳴り止まず
寒くも無いのに歯がカチカチ小刻みに
噛み合う。ただひたすら、手を強く握り合わせ
祈りを捧げるしかなかった。


今、思えば.....まだその頃の私は...
そのあまりにも衝撃的な事実を
自分の中でどう受け止めたらいいのか
わからなかったのだと思う。
その背景にあるものや、人間の気持ち
そして、命の重さについて
今ほどは理解できていなかった。

今でも、全部は理解できるはずもない。
しかし、20年を経て 
子供が生まれ、身近な人間の死や
世の中の不条理も味わった。
ただひたすら、祈ることしか出来なかった私は
歳を重ねるたびに、あの時より重い気持ちで
人に対して思いを馳せる。




私達はその列車に乗る予定だった。


同じツアーに、関西地方にお住まいのご夫婦が
参加されていた。
旅行後も、うちの両親とやり取りを続けており
私が、結婚で関西に来たことをとても喜んでくださった。

実は添乗員さんは、ご夫婦の姪御さんだったそうで
私は、あの旅行から10年以上経ち、ご夫婦のお宅で
衝撃の事実を知ることになったのだ。


手違いで席の手配が取れていなかったそうだ。
それに気がついた時には、すでに 修○旅行生が
手配済みになっていた。
それによるのか、他に原因があったのかは
わからないが、日程の見直しをし
更に、事故の影響で いくつかのコース変更を余儀なくされた。


そういえば、手違いの連続だったあの旅行は
なんだったのだろう?
予約していたはずのお店で食事ができなかったり
帰国の便も手違いで手配されておらず.....
結局、滞在日数も延びた。

旅行会社は、数々の失態のお詫びにと
帰国便の座席をファーストにアップグレードした
ほどだった。


その当時...事故の3ヶ月前には、大鉄道事故が3件も連続で発生し
計100名以上の方が犠牲になっていたという...
そんな状況を日本の旅行会社は把握していたのだろうか?
恐らく、していなかっただろう....
私達も、知る由がなかった。

それに、事故後 間もなく復旧し
あの恐ろしいくらいのスピードで駆け抜けていたあの列車
僅かに、事故を連想させるのは、汽笛とほんの少し緩めた
速度のみであった。
数日前に歴史的な大事故があったというのに
何も変わらないように見える日常がそこにあった。


その真実を聞かされる前から
あの列車の中で、祈りを捧げた日から
私の中では、何度も何度もあの汽笛が鳴っている。
記憶というものは、否が応でも薄れていくものだ。
しかし、あの記憶は私の中で風化することはない。

20年後に私の命があるならば
私は、今よりもっと重い気持ちで受け止めることが
できるのだろうか?

あの時期、あの場所に、私が導かれた意味を
これからも探し続けるだろう。












 

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秘密様
おはようございます。
いつもコメントありがとう。

ブログで感じる時間ってすごく
早いし
ここで数回コメントのやり取りを
するだけで、もう10年来の友人の
ように感じてしまう瞬間があります。
パーソナルスペース によるものだと
ある友人に教えてもらったことが
ありますが、とても不思議な現象です

以前は、それに混乱してしまった
自分がいて ブログを閉鎖する原因の
一つとなってしまったのですが
今では、このようにマイペースに
更新して、マイペースにお返事して
という自分なりの理想型に近い状態で
いられる中で、秘密様との出会いがあり
お蔭様で、心穏やかにパソコンに
向かえる私です。

k式発達検査 私は隣でモモの答えの
面白さに、吹き出しそうになるのを
何度も耐えましたよ。
かなり面白い答えが期待できるかも!
k式の結果は、他の発達検査に
比べて低めの数値が出るらしいし
どうせなら親子で楽しむくらいの
気持ちで行くのがいいいかもです~。





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