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熱い男の授業

熱血先生は、勉強よりも、遊びに力を入れていた。

ただでさえ、普通の学校以上に体育の時間が多く
学習時間に限りがあったにも関わらず
やたらと校庭で熱い男が子供の頃にしていたという
訳のわからない鬼ごっこをさせられていた記憶がある(笑)


その他にも
伝言ゲームみたいなものや、ジェスチャーゲームの類
フルーツバスケット、ハンカチ落としなど
ありとあらゆる遊びをさせられた。

夏休みには電車を乗り継ぎ先生の故郷にクラス全員で
連れて行ってもらったこともあった。

学校にはちょっとした山があり
そこには丸太の椅子やテーブルがあったので
青空教室と称しそこで授業をすることもあり
冬になると、その山でソリやスキーをさせてくれた。

スキー場のように整備された広い道があるわけでもない。
だから、ソリやスキーは結構危険が伴っていたと思う。
そこら中に木が生えているから
ぶつかって怪我をする可能性が高かったからだ。

ただ...当時の私達はそんな事はおかまいなしだった。
スリル満点のスキーを思う存分楽しんでいた。

私は、怖がりだったのでいつもビクビクしていたが
馬鹿にされるのが嫌でいつも平気を装っていた。

そんなある日、熱い男がとんでもない遊びを提案した!

クラス全員で(30人程)前の人のお腹に自分のソリの紐をかけて
繋がって降りてみよう!と言い出した。

どんな結果になるのか、想像もできなかったので
とりあえず挑戦してみた。

30人で繋がったソリはとんでもなく蛇行する。

麓まで無事に降りれるのは、2人くらいのもので
次々に振り落とされていくのだ。

先頭は毎回、選ばれた勇気ある人間に任された。
木々の間をうまくすりぬける運転技術が必要だった。

毎回、熱い男はこの並び順を考えては試し
1番理想的な並びを編み出した。
さすがに考えぬいただけあり、途中で振り落とされずに
麓まで行ける人数はどんどん増えて行った。

ただ、悲しいことに...
熱い男がどこの位置に入っても必ず
この男で切れてしまうのだ。

せっかくいい線いってたのに
必ずこの男が振り落とされてそこで終わりになってしまう。

熱い男の後ろにいた子供達は、一斉にブーイングだった。

空気を読んで、一度や二度抜けてみたらいいものの
この男は絶対に抜けなかった。

なぜなら、誰よりもこの遊びが好きだったから...(笑)

自分のソリに普通に名前を書けばいいものを...

もしくは「先生用」とでも書けばいいものを・・・
 
この男は...この熱い男は...

自作のサインを書いていた。

そのサインは
当時のアイドルブームに乗っかり編み出したのだろうが
かなり安易な、ちょっぴり間抜けなサインだった。
(知る人ぞ知る、マッチこと近藤○彦の
あの簡単な方のサインに近いものがあった)


彼は、その間抜けなサインが書かれたソリを抱えて

「いや~うまくいかねえべ~」
と雪だらけになりながら
みんなに置いて行かれまいと必死だった(笑)

しばらくしてさすがに、みんなの空気を読んだ熱い男は

「よっしゃ~!先生は一番後ろに行くぞ~!
すみれ!お前は先生の前だ!!」

と、私を後ろから2番目の位置に配置した。
そして、後ろから小さな声でこう言った。

「怖いか~?本当に怖くて駄目だと思っ

たら降りていいぞ。皆にはお腹が痛くなったって言っておくから」

私が怖くて怖くてしょうがなかったのを見抜いていた。

しかも、それをみんなに悟られないようにしていたのも
熱い男にはわかっていたのだ。
人一倍はしゃいで、雪の中に放り出されてばかりの先生に
そんな余裕があった事に、すごく驚いたことを憶えている。

大丈夫!
あんまり大丈夫ではなかったが、なんだか頑張れるような気がしてきて
私はそんな風に答えたと思う。

「よっしゃ~!女は度胸だぞ!
すみれ ~。すみれの事は先生が守ってやるからな!」

熱い男のテンションは最高潮だった。ちと寒いが...

しゅっぱ~つ!!

熱い男の、ひときわ大きなかけ声と共にソリは出発した。

出発した瞬間...フワッと私の身体が軽くなったような感覚があった。
恐る恐る振り向いてみると...

熱い男の間抜けなサインが

書かれたソリだけが

カラカラカラ...と私の後について来ていた


その時に、最初で最後の全員で麓まで降りる快挙を達成したのだった。
その時の喜びは大きかった。何ともいえない達成感があった。

熱い男は、守ってくれなかったが(笑)そう言ってくれた事は
わたしにとってすごい勇気となった。

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非公開コメント

熱いぜ☆

いいキャラだわ~!一気に読んでしまった…
なんかね、今日見たTVとだぶってしまって
読みながら私の頭の中の映像は
熱い男=中西学
になってた…
中西学が幼少期のすみれさんに熱く語っている図が…
こっ…濃い!!濃いぞ!中西!
私の頭の中の映像、見せたいわ…

映像が・・・

見てもいないのに映像が浮かぶ!
それはすみれさんの文章力がすごいからはもちろんのこと、この熱い男先生があまりにも熱くて濃いから!なんでしょうね。
子供と一緒にここまで一緒に遊べる先生って
どれくらいいるんでしょうか。
少なくとも私の人生のなかではそんな先生との出会いはなかったな・・・
そして愛のあるまなざしはちゃんとある!そこがすごいですよね。

おかんさんへ

お返事遅くなりました~。中西学ってプロレスラーの?近いものがありますよ。
でも、あんなに今時じゃなくて、25年前だからもっと古くさい中西さんを想像してください(笑)

かずさんへ

ありがとうかずさん。
そうそう、それは先生のキャラが濃すぎるからですよ~!この話だけで1年は行けそうだもの...でもそろそろまとめないと~でも、まとまらない(笑)

一気に読んだよ

すっごくウケた~(爆)
あれ!?笑いながらも目から溢れる水はなんだろう??
なんだか しょっぱいや…ずっと忘れてた懐かしい気持ちが『きゅ~ん』って(ρ_;)
今 親として行く小学校に彼の姿を探してしまいそうだよ(>_<)私の子供達にも こんな先生に教えてもらえたら…心から願ってしまうね。
まだまだ続くよね!?楽しみにしてますぞ!!

覚えてた?

懐かしいよね~。ソリの事は突然思い出したの!(笑)サインもあったでしょ?(爆)
どんなに怒られても泣いたことなかった千遥さんが涙?...私まで熱いものが..。
また、会いに行こうね~。
子供達の学校に転勤ってこともあるかもよ~

千遥ッぺへ

言い忘れたけど、まだもう少し続きます。
書きたいこと山よ~
全部書いてたら、時間がいくらあっても足りないので、どれを省こうか思案中。
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