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すみれ1つになる。

小学校から帰って母がいないと私は決まってパニくった。
外に出たり家に入ったりを繰り返し、親戚中や母の友人に電話をかけて
母の所在を探った。
いてもたってもいられない私は、家の前にある国道沿いまで出て
母が来るであろう方向を瞬きもせずに凝視していた。

私がそこに居るのを見つけると
母はものすごい睨みを効かせながら通りすぎた。
母の運転する車の後ろを全速力で走り、家に戻ると
母は、私がどこに電話をしたのか白状させ
一軒一軒謝罪の電話をかけた。

あんた!もう5年生でしょう...
お母さんが黙って遊びに行くわけじゃないでしょう。
ちょっと車が混んでるとか、買物を思い出しただけで
そんなに留守にしたことあるのっ!?

母は、恥ずかしいやらみっともないやら
どこそこの○○ちゃんは、幼稚園なのに立派に留守番が出来るとか


長々とお説教をはじめるのが常だった。


軍隊式小学校では、学校の帰りが異常に遅かった。
晩御飯用のおむすびを持参して器械体操の練習などをしていたので
帰りはたいてい、7時~8時くらいになっていた。
そんな訳で母は、私がそんな時間に帰るとは思っていないので
妹や弟が帰り次第、買物に行ってしまう事もあるのだ。
書置きもなかった。絶対に私が帰るはずはないと思っていたから。

しかし、母はいつの日からか必ず書置きを残すようにしていた。


おかえりなさい。
妹を病院へ連れて行きます。
帰りは○時頃になりますが、こんでいたら遅くなるかもしれません。
宿題をして、心配しないでお留守番していてください。


さすがに、電話はしなくなった。
どこに行ったかわかれば、パニくることもない。
1人で留守番はちょっと怖かったが
私はこんな時には必要以上に頑張った。
母が帰ってくるまでに、洗濯物を片付けたり玄関で靴を磨いたり。
帰ってきた母がびっくりして喜ぶリアクションを見たかったのだ。

帰ってきて家がピカピカに片付いていると母は大層喜んだ。
私はその度に、次の目標を定めた。
今日と同じ1時間の留守だったら、今日やった仕事の他に
アレとアレを頑張れば追加できるぞ。
そのうち対象は多岐に渡り、冷蔵庫の大掃除や洗車までもが
それに加わった。明らかにエスカレートし過ぎたが
母の驚く顔は、エスカレートしなければ見れなくなってしまうと思っていた。

ある日曜日のことだった。
父は出張中、母は妹と弟の所属するスポーツ少年団の応援で
朝から出かけることになっていた。
数回の私のお留守番の様子を見て、長時間の留守も大丈夫だろうと
母は判断したのだ。
早朝、出かけるときに私に

試合だから、何時頃戻れるかはわからないの。
お昼は過ぎるとは思うんだけど、そうだねえ...
最近弱いから、すぐに帰れるかもしれないねえ...



そう言った。


母はすべての家事をこなして出かけたので、とりたててする
仕事はなかった。そこで私は、母にプレゼントする服を作ろうと思い
生地と裁縫道具とミシンを出した。
まず、広告の裏にデザインを描いた。
母が帰ってきたら、目が飛び出るくらい驚く可愛い服を作ってあげよう♪

ミシンを使おうと思ったが、使い方がわからなかったので
結局手縫いで作ることにした。
袖は別に作るものだと思っていなかったので
身頃と袖を一緒にした同じ形のものを2枚つくり、それを縫い合わせた。


チクチク、チクチク.......どれくらいの時間が経過しただろうか.......

インターホンが鳴った。

外に目をやると、向かいの家のガラス越しにうちの玄関前に立つ
人物が映っていた。


家族ぐるみでお付き合いをしているTさん御夫妻だ。


私は急いで玄関に向おうとした。
しかし、身体が言う事を聞かない。
思いっきり身体を振ってみるが、得体の知れない何かに引っ張られている。


か....金縛り!?


しかし、もう一度落ち着いて立ち上がると、すぐに事情を理解できた。



コタツ布団と、製作中の洋服と、私の洋服が.........

すべて繋がっていたのだ!!




続きは次の記事へ!






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思い出しました!

あ~困った。
もう寝ようかと思っていたのにこんな面白いの読んだら...。

そうなんですよ、小さい頃って帰宅した時に家に誰もいないときの不安感ってそらあハンパネありましたね。
それこそあちこち電話したり隣近所を探し回ったりしたもんです...などというコメントを考えてたら「あんた!もう5年生でしょう...」。
エ?5年生でそうだったんだ。
失礼ながらちょっと吹き出してしまいました。
でも、あるべき光景がそこになければやっぱパニクルでしょうね。
さてさて、ミシンの続きを楽しみに読んでみましょう。

...眠いんだが。

へいたさんへ

出た!へいたっちのハンパネ!!へいたさんは、たまに
wとかハンパネとか、年齢詐称かっ!?
と疑ってしまうくらいの表現されますね
謎の人物やわ...(爆)

5年生です。
ちなみに、5年生までサンタ信じて
ましたしね。
ちなみに老けてたしね(爆)
老けてるから、デカイから
母に睨みを効かされたのか...
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