スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

耳が遠いすみれさん

前回の記事は、まだ続くと思いますが
一旦、別の記事を

この記事は、2008年1月5日に書いた記事。
読みたいという方がいらしたので、公開します。


私は長い間歯科というある意味職人的な仕事をしていた。
受付にも行くことはあったし、もちろん患者さんとのコミュニケーションも
必要に応じてこなしてはいたが、そこでの私の仕事といえば歯石を取る
仮歯を作る、入れ歯の調整や、通称銀歯の調整、型を採り石膏を流すなどなど
がメインだった為に、会話と言えば治療に関する事がほとんどだった。
細かい作業が大好きで、最小限の会話、マスクで顔の表情はほとんど見えない
という私にとっては、割と水に合った職業だったと思う。
治療の流れや、専門的な知識、治療にかかる検査や費用の面さえ正確に
把握していれば、電話応対や患者さんからの突然の質問にも対応することは
出来た。

しかし、今の職場ではそうはいかない。
今は、全く畑違いの飲食店にいる。
しかも、関西ではかなり名の知れた人気店。
今までの私の経験は全く役に立たず、右往左往の1年半だった。
(2008年10月現在、もうそろそろ2年半)

客数も客層も、予約で1日に多くて20人程度の歯科とは全く違う。
そこでは、様々なパターンの会話をこなし1つの仕事をこなしながら
周囲の状況に目をくばり、耳をそばだてなければいけない。
BGM、お客様の出入りするインターホンの音、マイクの声、お客様の大きな話し声
食器の音、レジにいるスタッフが伝票を読み上げる声
会計やオーダーが入ったと知らせるインターホン、次々に注文はまだか?
これをあれをもって来て欲しいというあちこちからのお客様の呼び声。

これらすべてが、ごちゃごちゃと大音量で耳に入ってきてしまう中で
仕事をこなすのは、至難の業である。
店長がそれを知ってか知らずか、お客様相手のポジションから
厨房の仕事に回してくれた機会が増えた為に、昨年はただひたすらお米を炊くだけ
のポジションと、洗い物のポジションで私は仕事に集中することが出来た。


しかし...ここでは新たな問題が出た。

仕事にあまりにも没頭しすぎてしまい、店長やその他スタッフが話しかけても
無視をしてしまうという


恐怖のシカト事件である



炊飯も、洗い物もどちらも1人でやる仕事である。
その周辺のポジションは、1人でやる仕事が多くそれぞれに没頭して
いるはずなのだが、何故かその周辺の仕事にはおばちゃんが多い。

おばちゃん=おしゃべり  しかも忘れてはならないのが
関西のおばちゃんなのである。


おばちゃん達は、独り言のように大きな声で何かを言うが


必ず相手にその返事を要求するのである



あああ...アタシーアホやわ!!これ入れるの忘れてたわぁ!!



と後ろで喚いているおばちゃんには、一応振り返り



「どうしたんですか?大丈夫ですか?」
などと言わなければならないのだ。



私の場合は、たいてい仕事に集中しすぎて
その喚き声が聞こえないのであるが、もし聞こえていても
振り返ることはしない。だって独り言だもん。


「ああ....どうしよう....すみれさん手伝って~!」


だったら、間違いなく振り向いて助けに行くだろうと思うが。



別のおばちゃんの話に移るが、そちらは割りと関西のおばちゃんにしては
おとなしい雰囲気の、声も小さなおばちゃんだった。

仕事に集中している私に何度も話しかけた事があるらしい。
しかし、私はそれに1度も返事をした事がなかったようだ。


ある日を境に、私はおばちゃんに陰口を言われたり
直接嫌味を言われるようになっていたらしい

らしい...というのは、それに私が殆ど気がついていなかった為。



ひょんなきっかけで、違うおばちゃんが

「あんたイジメられて気の毒に...」と言ってくれたので気がついたのだが
何故私が、そのようなイジメ(爆)
にあったのかと言う理由が


あの子は無視する!!!
(おばちゃん達(泣))



だったのである。




ごめんよぅぅぅーーーーーおばちゃんっっ!!





こればかりは、どうしようもない。
私は、振り返って「大丈夫ですか?」と言えばいいのなら、そうできる。
相手がそう望むなら、それくらいは出来るのだが

集中している時に話しかけられても絶対に気がつくことは出来ないだろう。

本屋さんで、ストッキングの中にスカートをすっぽりしていても
気がつかず(暇がある方はクリックして↑読んでみて~)

パソコンに集中している時に酷い髪型にされても
(↑こっちも、ビックリするよ。読んでみる??)
気がつかない私が....気がつく訳がないのである。


仕方がないので

「用事がある時には、お手数ですが肩を叩いて
もらえますか?」と言ってみた。

すると、私があんまりにも無視するので
肩や背中を叩いた事もあったが、それでも気がつかなかったらしい事実も
明るみに出た。



ダメじゃん...あたし.....


では、もう仕方がない...集中すると周囲が見えなくなってしまう
すべての音も触覚もシャットアウトしてしまうなどと言う話を
アスペルガーを知らない方は
(多分知っている人間でも信じ難いであろう。
周囲の話を聞くに、ここまでの気がつかない人間は当事者でも珍しそうだ...)
絶対に信じてくれないだろう。

1から説明するのも面倒なので、私は自分の耳が遠いと言った。

「ごめんなさい。全く気がつかなくて...あの何て説明したら
いいのか...ちょっと、耳が遠いので、そんな時には思い切り揺さぶって
呼んでくださって結構ですし、そこまでの用件でなければ
仮に私が返事しなくても、聞こえないのかな...?と判断してくださると
ありがたいんですが...あの、故意に無視するとか
そんなんじゃないんです。」



そのような事を伝えた。


きっと、その話はそのおばちゃんからおばちゃんにきちんと
伝わったのだろう。
次に仕事に行った時には、おばちゃん達の様子が一変して
やたらと友好的に接してくれているのを感じた。


しかし、これはおばちゃん達にはとてもわかり易かったらしい。
私は真剣に人の話を聞く時に耳を相手の方に近づける癖があるらしい。
余程慣れ親しんだ人との会話ではあまりしないようだが
それでも、たまに旦那に指摘されるのでしょちゅうしているのだと思う。

その理由は...


これも前記事に続きこちらで説明しているが


私の中のアスペルガー後編


人の声を聞くためには
相手の他の人的感覚要素{触覚、視覚など}を
排除した方が、聴覚に集中しやすいらしい


ので、私が真剣に相手の話を聞こうとすると
自然にそのような形になってしまうのだろう。

おばちゃん達は、私の普段のその様子から
耳が遠いらしいことがすぐに結びついたのだろう
と、思われる。



耳が遠いらしいすみれさんになってからというもの
ある程度の集中スルーには目をつぶって頂ける機会が増えた。

おばちゃんの独り言に対して、一応余裕のある時には
笑顔を見せたり、気の利いた答えは返せないが
それなりに答えるよう心がけてはいた。
無理に...ではなく、それは私の意志でそうしたかったのだ。

なぜなら

おばちゃん達は、私が困っていたら助けてくれたし
逆に私が助けに行くと、とてもとても感謝の意を伝えてくれる。
それは、こちらが恐縮するほどだった。
更に何かと私の仕事での良い部分を見つけては褒めてくれるので
それが、本心じゃないにしても私にはそれを見破る事もできないし
単純に嬉しいと感じ、それなりに楽しく仕事をすることが出来た。

腰を痛めたのをきっかけに、私はまた接客のポジションに
移ったので、おばちゃん達との関わりが減り
少し淋しく感じている。


結果的に、私は
とても説明が困難な発達障害の特徴を ”耳が遠い”という
一言で片付けてしまった。

耳が遠い、目が見えない というハンデに対し
人々は、とても協力的かつ、友好的である。

耳が遠いと言えば、遠いのだが
それが、耳の疾患からではないということまでは
わかってもらうことは出来ない。

嘘ではないけれど、こんな風にちょっと言い方を変えるだけで
周囲の気持ちにも変化があるのだと 知った貴重な出来事だった。












コメントの投稿

非公開コメント

うちの旦那は自分も集中しているとなにも耳に入らなくなるくせに、私が聞き漏らしをすると、「お前は耳が遠い、交通量の多い道路の近くの家で育ったから難聴になっているんだ」と言い切ります。そして自分が聞こえなくなる事に関しては「お前のしゃべり方がはっきりしないせいだ」と言い切ります。

おじゃまします。私は朝、家の周囲を掃き掃除しますが、集中するとすぐ近くで声をかけられないと気が付きません。近所で「お高い人」と誤解されていることでせう。周りの様子をうかがいながら掃除、はハードルが高いです…

遮断したくなくても周囲の情報を遮断してしまうときってあります。

仕事中にお客さんに話しかけられても気がつかないで後ろから叩かれるということも。。。

*最強事件の記事UPしましたw

狸穴猫さんへ

今まで頂いた狸穴猫さんの
コメントの中でもトップクラスの
面白コメントだ。

旦那さん自己中すぎる~~~~!(笑)

でも、嫌いじゃない...
そこまで言い切ると(笑)
潔ささえ感じてしまう。



ででんぽ様

はじめまして。
コメントありがとうございます。
当事者さんですか?

お掃除は、私もスイッチが入りやすい
方なんで 集中レベルが上がりやすい
と思いますよ~(笑)
家の中ならまだしも、外となると
しかも、ミスが許されないご近所さん
の目のある中で...
難易度高いですね。

常に周囲に気を配りながら
完璧に掃除をこなす(完璧なのか!?)
レレレのおじさんって、すごいお方
なのかもしれません.......

奈良人さんへ

叩いてくれる方は、きっと全員じゃ
ないから、気がつかないまま
無視されたと感じているお客様も
いるかもしれないねェ(涙)

でも、案外...
あまりにも忙しそうだから
聞こえてないかも...って思ってくれる
人の方が多いかも。
奈良人さん、ほんま忙しそうやもん。

こないだ見かけたけど
声かけるのやめたくらいよ(笑)

こんにちは。
耳が遠い・・私もそうですよ。勿論、聴力検査は何度やっても異常はないので、すみれさんと同じです。私も面倒なので、「ちょっと耳が遠いのよ~」で全て済ませてしまっています。実際、よく聞こうと思ったら すみれさんと同じに 耳を 思い切り! 相手のほうに傾けるからね・・ナハハ。(^^;)
集中しすぎると私も全然気がつきません。ま、体に触られるとかは敏感なので、いたずらされる・・てことはあり得ませんが・・(笑)
逆に私は集中しすぎると何か言ってるらしいですね。。う・・不気味だ。気をつけてますけど。

しのぶさんへ

しのぶさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
耳が遠いのよ の一言って
便利ですよね。うん。
嘘をついている罪悪感もないし
相手にとっても、わかりやすい
もんね。

独り言ですか?私は、独り言は
指摘されたことはないのですが
突然大きな声で笑い出したり
ちびまるこちゃんの野口さんみたいに
くくくく.....って笑ってたり
するのを自分でも気がつくことがあります。自分がキモいです(笑)
リンク
検索フォーム
月別アーカイブ
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。