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黒い夜のけもの道

私の通っていた軍隊式小学校
(興味のある方はカテゴリーの軍隊式小学校シリーズを御覧ください)
では、年に数回全国からお客様を招き
軍隊式教育の成果を発表していた。

この発表会が近づくと、お家芸である器械体操の練習などに
小学生でありながら、夜の8時近くまで時間を費やす事も少なく
なかった...

下の写真は、軍隊式小学校があった私の田舎の写真である。



田舎




御覧のとおりのド田舎...

ここまでのド田舎になると、昼間でも怖い事がある。

子供の頃、何気なく感じたその怖さの理由は
高校を卒業して、上京した私が帰省した時に
はじめてわかったのだった。

音が無いのである。

全く無い事はない...
虫が泣く音、国道に出れば車の音ももちろんする。
飛行機やヘリコプターが飛んでいれば、そんな音も聴こえる...


しかし...都会の騒々しさに比べたら
この静寂は、あまりにも不気味なのであった。


発表会の練習が終わった後の帰り道...

これは、私にとって耐え難い恐怖との闘いであった。
あの静寂と、数々の自然の演出が夢に出てくる事がある。
決まって、泣きながら目を覚ますのであるが
当時の私は、涙を流す事も、怖いと訴える事もなかった...

ただひたすら、走った。

深く、黒い闇の中で聴こえるのは、私の足音と
呼吸と、ふくろうの声だけだった。

小学校から、家までのコースは2つの選択ができた。


1つは、国道沿いの歩道をひたすら真っ直ぐ進む

もう1つは、けもの道や林を抜ける近道
であった


私は、けもの道を通ることしか考えられなかった

なぜなら...

正式な通学路は、けもの道であり
国道沿いを歩く事は禁止されていた。


今の私なら迷わず、国道を選ぶだろう。
しかし、当時の私には学校のルールは絶対であったし
いつもと違うパターンを変える事は
けもの道を選択することより
不安で、怖いことだったのである。


途中までは、まばらに民家がある。

その民家の付近には、沼...池のようなものがあり
水面はいつも黒光りしていた。
沼を囲むように生い茂る木から垂れ下がる枝や蔓が
まるで、生き物のようだった。
ウシガエルの鳴き声が、恐怖に拍車をかける。

しかし...そこはまだ序章にすぎなかった。

魔界へのほんの入り口だったのである。

民家がなくなってくると
麦畑と田んぼがひたすら広がるけもの道に入る。

もちろん街灯はない。

異常に青白い月明かりと、暗闇にもすぐに適応できる
自分の目だけが頼りであった。

ここでの恐怖は、喩えようがない...

800メートル先に広がる、真っ黒に広がる林をめがけ
ただひたすら歩く。

突然ヘビが横切ることもある
用水路に誤って片足を落とすこともあった。
しかし、そんな事は私にとって些細なことだった。

目の前に広がる黒い林の中をどうやって切り抜けるか
それを考えることで一杯なのであった。
鼓動は高まり、息が苦しくなるのだが
林の中で全力疾走をするために、このけもの道では
歩くことに決めていた。
胸がドキドキしたら、息が苦しくなって
走る事ができない。
でも、考えれば考えるほど苦しくなって
私はいつもここで、パニック寸前になっていた。

昼間でも暗いこの林の様子は、何度も通っているので
目をつぶってもわかる。


この林の中には、私たち地元では



へびのおっかさん



ヘビのおっかさんと呼ばれる

上の写真の植物が群生していた。



このへびのおっかさんは、様々な種類があるのだが
この林の中には、ストライプが鮮やかで
とても大きな

キングオブへびのおっかさん

が、並び一斉にこちらを見ているのだ。

中に入ると途端に空気が変わる。
とても冷たい、独特の香り。
黒い林の空気が私の身体に染み渡る...

私はその気味の悪い空気をなるべく吸わないように
へびのおっかさんと目を合わす事がないようにひたすら走る。

全力疾走で突入すると、林の中では異変が起きる。
足音に驚いた生き物達が一斉に、バタバタ、ガサガサ
必死でどこかに逃げ込む音が鳴る。
その音がまた私をビクつかせるのだった。

林を抜けると最後の関門が残る。

未だによくわからない、謎の鳥居と小さな祠が
あるのだ。
鳥居は、とても古いものでけもの道から更に
けもの道を進むとくぐれる様になっているのだが
私達の通学路からは、鳥居の頭の部分しか見えない。
森の中に見えるその鳥居と、ほこら...

ほこらの脇には大きな桜があるのだが
私は、今日まで,その桜より綺麗に咲く桜を見たことがない。


私たち小学生は、その道を奥に進み
ほこらに行こうとする者はいなかったし
そのほこらについて、話す事もなかった。
大人達からも、何も聞いたことはなかった...

もしかしたら、私にしか見えなかったのかもしれないと
思うこともあったが、確かに鳥居もほこらも存在していた。
そして、見事な桜も...

その場所は、必ず霧に包まれていた。
他に霧がかかっていなくても、必ずそこだけは霧に包まれていた。
もしかしたら、それこそ幻だったのかもしれない。
私の恐怖が霧に包まれた鳥居を連想させたのかもしれない。

そのほこらを過ぎると、すぐに国道の歩道に出た。

母は、私があの道を1人で帰ってきていることを随分後から
知った...
国道沿いを帰るように言ったが、それでもけもの道を帰ってくる
私と何度も揉めた後、熱い男(担任)に相談したようだ。
熱い男は、そんなもんたいした事はない!!
ただの田舎道じゃないか!!心配しすぎ!!
と母に反論したようだったが

原付で、私の通る道を試しに走ってみたという...

すぐその足で私の家に訪ねてきた熱い男は
母に謝罪し、私を暗くなる前に帰す事を約束した。


あの道は...原付に乗っていた大男でも身震いしたという。


僕でもあそこを1人で通れと言われたら...無理です。

熱い男は、申し訳なさそうに頭を掻いていた...



※ヘビのおっかさんは、正式にはマムシグサだそうです。
画像は植物園へようこそ様よりお借りしました。ありがとうございます。






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こわっ

すみちゃん!
熱い男が無理な道を1人で帰ってたのかい???
こわ~読んでても不気味だったよ!
でも、あの変な植物、ほんと目があったら不気味だね…
ぶるるっ…
でもおっかさんだなんて、笑える!
ゆっくりネット、すごいね~
おめでとう~♪

ひょえ~~~

怖い・・・
鳥居やほこらは、やっぱりすみれさんにしか見えてなかったんじゃないの?
・・・もしかして、熱い男も見えたのか?
キングオブへびのおっかさん、ってどれほどの大きさなの?怖いよ・・・
想像しただけで鳥肌が・・・
いまだに夜道はひとりでは歩けない私・・・
こわ・・・
ゆっくりネット、どこを見たらいいかわからなかったけど、発見!!おめでと~!!v-314

あぁ~♪久しぶり

すみれさん、こんにちは^^
ヒョ~!こえぇぇ~!と読み進んで行ったら
出たわっ!熱い男っ♪
やっぱ、自分でもその道を通ってみるってのが
熱い男だね(爆)
しかも謝罪に来てるし!
なんてまっすぐな人なのだ!!
私さぁ…小さい時近所に動物園があったんだけど…
みんな知らんっていうのよね…
あれはなんやったのかなぁ…ってちょっと思い出したよぅ~!
ところで、ゆっくりネットおめでとうサンサン★
で、自分はどこ?って探してみてびびったよ…
ないし…(爆)

私の実家もかなり田舎だけどさすがにこれは怖いかも
家は林や沼などない分怖さはなかったけど
2キロに渡る田園風景の中を歩いて通いました
怖かったのはポツンとたまに止まっている車でした
何回変質者に追いかけられたか…
何回車に連れ込まれたか…
学校行くのが嫌になった事もありました
私が二十歳になった頃
この道で女子高生が襲われかけたのを見つけて助けた時
下着が脱がされて持ち逃げされて…
何もされなかったから安心したけど
怖い思いって色々あるよね

そらあ怖かったですね~。
あの鳥居もほこらも多分幻ですぜ。
しっかし小さいころはいろんなものが怖く見えたモンです。
小さかったころ怖かった場所が今通ってもなんともないですから。
...なんてコメントを読んでる途中で考えてたのに熱い(←「暑い」ではない)先生が登場してきたおかげで怖さに拍車がかかりました。(同時にお笑い指数も少々上がりました)
それにしてもほこらの脇の桜、夜見てみたいもんですね。
きっときれいなんでしょうな~。
でも夜あんだけ怖いんだったら夜桜見物に行く人もいないでしょうね。

なんかトトロでも出て来そうな
ところだね~。
成人男性がビビる程の道なんだから
すみちゃん、よっぽど怖かったろう。
夢に出て来る事があるっていうのが
分かる気がするよ。
で、へびのおっかさん(笑)
確かにコブラっぽいけど(笑)
ゆっくりネットおめでとう!!
クリックしたよ~♪

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

たるちゃんへ

おっかさんだよ!
おっかさん!!
これ触ると手が腐るとか
男子が言ってたし...(大嘘)
それだけで、私は失禁寸前だったんだよゥ!!
ゆっくりネットびっくりでした~
でも人気ランキングは
100位くらいだし(爆)
人気ないのにアクセスランキング1位
ってなんだ??(笑)

まっぷーさんへ

キングオブへびのおっかさん
とは...
とにかくその辺に生えてるやつより
太くてタッパがあって
ものすごい立派なわけよ!!
どれくらいと言われてこれを
説明できないの...何センチとか
まったく喩えられないんだよ...私
いや...みんなにも見えてたと
思うよ。
私には霊感ないもん(笑)
ゆっくりネットはね~
私もまっぷーさんの所に行ったら
必ずクリックしているから
(忘れてても絶対に戻るもん)
わかるんだけど、まっぷーさん
もすごいよね...
っていうか、ブログ村でも
2位とか3位に入ってたやん!!

おかんさんへ

熱い男...今年も神出鬼没だよ~
楽しみにしててね♪
おかんさんの動物園って...
怖いし...ほこらの方がまだ
ありえる話じゃん。
動物園なんて、誰も知らないなんて
おかしいもの...
怖いって...
ゆっくりネットさ、おかんさん
バナー出してないもん(爆)
みんなブログ村と人気ブログランキングしか押してないよね...
ブログ村はすごいよね
毎日のように参加者が増えてるもの

さちさんへ

どっひゃ~!!
さちさん...それは別の意味で
怖いってば!!リアルに怖いって!
もう、何にびっくりしたかって
連れ込まれた...?
しかも...何度も!?
さちさん、それは大変な体験を
されたんですね。怖かったでしょう
さちさん、きっと可愛いおこさん
だったんでしょうね...

へいたさんへ

この私の故郷は
滝桜で有名なとある県なのですが
それより綺麗でしたからね...
桜は1本しかないんです。
でもその木がものすごく大きくて
花びらの色も、普通の桜とは
微妙に違うんですよ...
あれだけ見事なのに、誰も花見
しないし、ひっそりと
森に隠れて咲いているんですよ
今度帰省した時に、真相を
確かめに行ってきます。

ママ子ちゃんへ

コブラ(爆)
そうだね...コブラっぽいね。
これの正式な名前は
マムシ草っていうんだって。
でも、マムシよりかコブラだよね。
この私が育った地域には
こんな恐怖スポットがたくさん
あってね...
やたらと石の積まれたお地蔵さん
とか..
底なし沼と呼ばれる所とか..
山に入ると、鉄砲で撃たれた
イタチが転がっていたりね...
(猟をする人が普通にいたから)
そうなの...トトロよ。
昔話の世界よ。ソラノセカイよ...
(←また言いたくなった)

2007/02/28(水) 21:42 の秘密コメント様

はじめまして。
お返事をどこに書いたらよいのか
わからなかったので
コメントの内容には触れず
ここでお礼を言わせてくださいませ
コメントありがとうございます。
また是非遊びに来てくださいね~
嬉しかったです。

こ、怖いですっ。

なんだろうと最初は良かったのですが、読んでいくうちに私もそこにいる感じがするぐらい臨場感あふれて一気に読んじゃいました! 本当にこわい~(>_<)
通らなきゃと言う思いがあったから通られていたのは分かるのですが、
やはり思うのは・・・当時のすみれさんってすごい!です。
当時何も無く無事に過ごされてよかったですね~。
・・・へびのおっかさん、私がもし見たら焦りまくりになることでしょう(蛇は好きではありません)。

可愛いとかではなく…

その道を通る小中高生はその当時私しかいなかったんですよ…
小6位に高校ができて高校生が通るようになってから少なくなったけど
叫んでも民家はないしね…
でもよく連れ込まれても何もされずに済んだのは
余程の不細工か臭かったのか…
蹴った場所がよかったのかもね
今では小学生はみんな民家の並ぶ場所まで親が車で送ってますよ
県から住宅を建ててはダメと言われている田園なんでずっと残るぢゃないかなぁ

かのんさんへ

わたしね~こんなに色んな失敗しているんですけど、事故に遭うことも
大怪我をすることもなかったんです
大怪我というとレベルがあるでしょうが、骨折とかしたことないんです
ものすごい守護霊がついているのかとも考えましたが、そんなすごい
守護霊様がついていたら
お腹に油性マジックで落書きした後に
胃潰瘍にはならんよね...(笑)

さちさんへ

臭いって~(爆)
さちさん面白い~!!
でも、ほんまに幸運でしたね。
何もされなかったなんて
奇跡ですよ。何度もあったのに...今は、田舎でも怖いですからね...送迎は必要ですよね~
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