強がりなワタクシ
2006.12.06
私はとある飲食店でパートをしている。パートが終わるや否や私はいつも急いで帰る。
モモのお迎えの時間が迫っているからだ。
その日は特に急いでいた。
モモが帰ってくる前に絶対に買物をすませたかった。
いつもはエプロンを取ってから帰るのに
その日は長めの上着を着ていることもあり
エプロンはそのままで帰ることにした。
だって、急いでいるんだもん。
スーパーに滑り込み、買い物カゴをひったくるように
取った私は戦闘態勢に入った。
あと10分!!
10分の間に買物を済ませ
家に戻り、着替えて
モモのお迎えに行くのだ。
グズグズしている暇なんてない〜っ!!
私は、血眼になりながら目的のモノをカゴにガンガン入れていく。
そして、最後に行き着いた野菜売り場で
突然あるものが目に入った...
いや、ある人が...
アタシやん...
そう。野菜売り場にある鏡に私が映っていた。
なんて美しい〜
なんて可憐な〜
そうなの...自分に見とれてしまったの。って...
アホか〜!!
帽子や!帽子かぶったままや!!
飲食店の帽子には
前髪も後ろ髪も一本残らず入れ込まなくてはならない。
まるで...水泳帽なのだ。
私は、その恥ずかしい水泳帽子をかぶりながら
黒のトレンチコートを着ていた。
怪しい...
しかも、鼻息荒く猛スピードで買物をしている。
怪しい...
山伏に出会った新聞屋のように、一瞬目を見開き
明らかに狼狽してしまったが...
ソレを周囲に悟られては、ならぬ。
今更、帽子を取ったら
「ふふっ..あの人やっと気が付いたみたいね!」
「きっと恥ずかしいんだろうね」
「あ〜やっぱり間違えてたのね」
って思われるのがオチである。
そんなのは絶対にいや〜!!
違うのよ!これは、わざとやってるの。
全然恥ずかしくないの〜
見たらわかるでしょう?
ほら、私ったらこんなに堂々としてるのよ〜
今まであんなに急いでいたくせに
急にゆっくりペースで買物をする私...
急いでいたら、早くここから立ち去りたいって思われる。
そうそう...落ち着いて、ゆっくりよ。
頑張れ!すみれ。
私は、何も悪い事なんかしてやしないのよ。
葱を入れて、たまねぎを入れて...
ほ〜ら、終わった。
あとはレジを済ませて...
私はゆっくりと車に乗り時計を見た!!
ああ!もう時間過ぎてる〜〜
焦った私は、車を近くに止めて
買物袋を持ったままモモのお迎え場所まで全力で走った。
子供達はもうすでに帰ってきている。
公園にいるママ友達が一斉にこちらを見ては
大声で笑っている。
その時にはすでに、帽子の事を忘れて(←バカ)
遅刻をしたから笑われていると思い込んでいるおめでたい私。
ごめんね〜遅くなっちゃって〜〜!!
すみれさん〜!それお仕事の?
皆が手を叩いて笑っている。
あ!!!
1人がこう言った...
もしかして、そのセレブなコートにその帽子で買物してきたん??
う..うん...。
きゃははははは〜
その格好ならまだ、制服のままウロウロしてる方が
マシやろ〜?
あ...どこかの制服なんやってわかるやん。
見かけた人も納得できるやん。
なんで、またそんなコート着てんねん〜っ!
そうだよね〜。ほんまに可笑しいよね〜
間違えちゃった〜アハハッ♪
一緒に笑いながら...遠い記憶が蘇る...
そういえば...そういえば...
いつまでも笑っている彼女達にさよならを言って
吹き出しながら、モモと家路に着いた。
次回をお楽しみに〜〜♪





