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障がいをもつ妹 中編

「別に...そうやな..そのまま通り過ぎてお母さんか先生を呼びに行くわ」
無表情でそう答えた。

私はこの言葉でかなりうろたえた。

私はアスペである。
私の子供時代とマルを比べるのは意味がないのかもしれないが
私は妹や弟を守るためなら死ねると思っていた。
両親が出かけて、留守番をする時は、私の妄想はひろがり
ゴルフクラブを握り、泥棒が入っていないか
1つ1つの押入れをチェックした。
私がチェックしている間に、妹達が襲われたらどうやって助けよう?
あ~して、こうして...私はシュミレーションらしきことまでしていた。

妹の瞼が蚊に刺されて腫れたことがあり
近所の姉妹に「お岩さ~ん」とからかわれた。その時は、泣きながら
怒った。
100倍にして言い返して、結局そこの親からクレームがあった

お前のかーちゃんでべそ!も大嫌いだった。

そんな事を言おうものなら、哀しくて悔しくて泣きながら

「違うもん!うちのお母さんでべそじゃないよ!!うそじゃないもん
いますぐ見に来てよ~!!」と主張した。

家族が少しでも侮辱されると、自分が侮辱される何倍も苦しかったし
怒りも倍増だった。
みんながそうだと思っていたし
それは大人になってもそうだと信じて疑わなかった。

でも...マルは違っていた。

本心を言うのが恥ずかしいわけでもない。
マルは嘘を言ってなかった。
本当にモモがいじめられてもそんなに気にしないのだろう。

それから、私はずっと考えた。

この子は、妹を憎んでいる。それは今回のことで確信した。
自分がどれだけモモに優しくしても、モモのために動いても
またモモに裏切られる。
その繰り返しだったんだろう。

その度に、感情を表に出して
モモみたいに暴れてもっと自己主張できたら、まだ良かったのに
マルは全てを1人で背負い込む。

我慢して、我慢して...
いつのまにか妹に対して愛情をなくしてしまったのだ。
ここで、モモの障害を伝えるのが賢明だろう...

マルも、それで少しは楽になるかもしれない。

「なんでモモはみんなに合わせられないの?」

「なんでモモは言ってることがわからないの?」

ふざけてるの?バカにしてるの?わざとやってるの?


そんなことばかりで頭がパンクしそうだったのだろう...

私は、マルに

「もしかしたら、マルは頭の良い子だから気がついていたかも
しれないけど、モーちゃんは、イオ君と同じ自閉症やねん。来年から
小学校に行くけれど、みんなと同じ教室で勉強ができないかもしれないの。A学級に入ることになってるの。」

マルは黙って聞いていた。

私はモモが、マルの物を壊したり触ってしまうことをわざとやっているのではないと説明した。

そして、もう1つ大事な記憶を思い出させた。

「前に、お父さんとお母さんが喧嘩してお母さんとモーちゃんとマルの3人で夜中に歩いたことあったよね?あの時モーちゃんが

お母さんと、マルちゃんをモモが守ってあげるから!

って言ったの覚えてる?
マルが疲れた...もう歩けないって言ったら

モーちゃんがマルのこと抱っこしようとしたの覚えてる?

マルが寒いって言ったら、もーちゃん自分の洋服脱いで

マルに貸そうとしてくれたの覚えてる?」


マルは泣き出した...

「マルがお母さんに怒られている時
大きな声が怖いから逃げ出したいのに
マルを助けるために耳を塞ぎながら、マルの前に立って
お母さんがマルを叩こうとしたら
マルの上に乗ってマルをかばってくれたの覚えてる?」

うん、うん。泣きながら何度もマルが頷く。





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