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20070417

  1. ズタボロ騒動すみれ6歳の春(04/17)


ココロのひろばの長編シリーズものは

キオクノトビラにてご覧ください。


私と、モモの生育歴などは

みずいろのかいがらにてご覧ください。



ズタボロ騒動すみれ6歳の春

2007.04.17
こんな話を聞いたことがある。
自分が産まれた日の天気は、その後の人生に大きく関わってくると…
私が産まれたのは、11月の初めだったが、大雪だったそうだ。

雪国だったので、ありえないことではない。
しかし私と雪には恐ろしいほどの縁があり、何かの節目には
必ず大雪に見舞われるのが、定番なのである。

自分の結婚式も大雪だった。
私の現在住んでいる場所は、殆ど雪は降らない。
たまに降っても積もる事はなく、雪だるまを作るなんてことは
この辺のちびっ子達にとっては、夢のまた夢なのだ。

しかし、雪はやって来た…

結婚式当日の朝…テレビでも、外でも大混乱たった。

「10年ぶりの大雪に見舞われて…」


「すべての交通機関がストップ…」




すべての交通機関がストップ!!?



私はすぐに実家の母に連絡をした…
母達もパ二ックになっていたらしい…

仕事の関係で、前日に関西入りが出来なかった私の家族や
親戚達は、当日の朝に飛行機で来る予定であった。

式は午後3時からだったが、新幹線も動いていない状態である。

幸い、私達夫婦が最後の組であった為に
ホテル側の配慮で3時間遅れで式をすることができた。

やれやれである…

しかし、それだけではない。
ここに挙げているのはほんの1部である
結婚式に絞って、例を挙げてみよう。

それは弟の結婚式でも

妹の結婚式でも起きた…

(みんな揃いも揃って冬に結婚しなくてもいいと思うのだが…
余談だが、ウチの両親私達夫婦と、弟夫婦は、全く同じ日に
結婚式をしている…
意味不明!!誰もそんな事を合わせていない
単なる偶然なのである。)

私は、妹の時も弟の時も雪の為に飛行機に乗れなかったのだ…
もしものことを考えて、前日に行動していたので
式に遅れることはなかったのだが
とにかく雪…私が勤くと雪が降る…

家族や、親戚達にはそう決め付けられている私であった。

さて、本題…(今からかよ〜っ!!)


私の小学校入学式…
その日も雪はやって来た…

4月の初めだというのに、ドカーンと気持ちのいい大雪である。
アスペな母は、その日には着物を着ていくと決めていたので
なかなかスーツに変更する気持ちになれずに
朝からパニ<っていた。

機嫌の悪い母は、入学式用に祖母が買ってくれたピンクの
ワンピースの上に、コートを羽織るのを嫌がった私を罵っていた。
しかし、せっかくのお気に入りのワンピースがコートで
隠れてしまう事は、私にとって受け入れがたく...

しかし、母の言う事は絶対であったために
私はしぶしぶコートに袖を通した。


式が終わり、教室で先生のお話を聞いているときに
私は、自分の机の中にあるお道具箱を開けた。
中には、新品のハサミや糊やクレヨンが入っており
ワクワクドキドキの新品の香りがした。

私は、ハサミを持つと何でも切ってしまう癖があったために
家でハサミを持つ事を母は嫌がった。
しかし、このお道具箱には自分専用のはさみがある。
私の心は躍った。
先生の話なんてちっとも耳に入っていない。

すると、隣の席の男の子も私の真似をして
お道具箱を開きはじめた。
2人でガサゴソしていると、後ろに立っていた
私の母と男の子の母がたまらず寄って来て、私達に注意をした。

母の顔は尋常じゃない怒りに満ちていたので、私はすぐに
お道具箱をしまった。
しかし、私ははさみだけは片付けなかった。
どうしても、持っていたかったのだ。

ハサミを持つと、何かを切りたい…

しかし、適当な紙はなかった。
教科書を切ったらいけないというのは、ちゃんとわかっていた。


そうだ!

私は閃いた!!

自分の着ている可愛いワンピースをもっと可愛く出来ないか
考えたのだ。スカートの裾をギザギザにカットしたら
お姫様のドレスみたいになるかもしれない…

私はそ−っと、スカートにハサミを入れた。

ジャキン。
新品のハサミはとてもいい音でスカートを切り裂いた。

私は、そ−っとそ−っと、その作業を続けた。

しかし、隣の真似っ子男がかなりの動揺をみせてしまった。
私の行動に相当なショックを受けたようで
どうしていいかわからずに、あちこち見回して誰かに助けを
求めるような素振りをしていたようだ。

現れたのは、先生ではなく鬼と化した母であった…

母は、私の手からハサミを取り上げ
自分のバッグにしまいこんだ。

そして…

帰ったらわかってるだろうな…
の睨みをきかせ、また後ろに戻っていった。

私は、それがいけないことだとそこで悟った…
可愛くしようと思ったが、確かに可愛くなんてなっていなかった。

あんたって子は…

何を考えているんだ…

先生の話なんで聞けないの?

せっかくおばあちゃんに買ってもらった洋服…



帰りの駐車場に向かう道すがら
私を小突きながら、母は思いつく悪態の限りを吐き出した。

しばらく歩くと、駐車場に着いたが母の怒りは冷めやらず

馬鹿だ…本当に… 落ち着きがない…

ぶつぶつ言いながら、うちの車を横切った。
私は、一瞬......
うちの車に乗る前にどこかに用事があるのだと思ったが

母は鍵を手に、明らかに車を探していた。
血眼だった…

通り過ぎた事を伝えようと思ったが
口を開<と殺されそうだったので、我慢した。

ただ、ひたすら母の後を小走りでついてまわる…

あちこち刻んだスカートの隙間から入り込む風が
とても冷たくて、母に対する恐怖が増長した…

母は、やっと自分の車の存在に気がついたが
その頃にはすでに駐車場には私と母しかおらず
私の身体は冷え切っていた。

すると…母は、雪の上に座り込み

泣き出した…。

私は、初めて母が泣いている姿を見た。

母は結局、悩んだ挙句に着物を着ていた。

雪の上で、しかもタイヤの跡や泥がたくさんついた駐車場の
地面の上でうずくまり泣いていた。

母を悲しませたのは私だから、私も泣いた。
母がかわいそうだと思った。
もう、母に対する恐怖も寒さも忘れていた。

ひとしきり泣いた母は、着物についた泥や雪を適当に払い
私を車に乗せて、突然写真館に向かった。
私も母もボロボロだった。
しかし母は、私と2人で写真を撮った。
写真館の人が、洋服を貸しましょうか?
と聞いてくれたが、母は断わった。

母にどうして、急に写真を撮ったの?と聞いた。

母は、今日のことを忘れないためだよ…と笑った。

そして....

すみれが忘れないようにじゃないよ。
お母さんが忘れないようにだね。
と付け足した。

私はそれ以来、その写真を見たことがないし
私はそれ以来、母が泣いた所を見たことがない

入学式の時期が来ると、毎年鮮明に思い出す
ちょっと切ない30年前の思い出。

モモの入学式の晴れやかな姿の写真を見て
母も思い出しているのだろうか…





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2007年4月17日の記事

ズタボロ騒動すみれ6歳の春

2008年6月1日再公開しました。





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