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20070401

  1. アドレナリンに御注意...すみれ18歳の事件簿(04/01)


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アドレナリンに御注意...すみれ18歳の事件簿

2007.04.01
あれは、私の専門学校入学式の日の出来事だった。

18歳の私は、憧れの東京で新しい生活を満喫しておった...
入学式に着るスーツは、何日もかけて
パルコなるものや、ラフォーレなるものや、伊勢丹なる
私の中では 東京へ来たらここへ行くべさ... と決めていた
デパート(爆)を巡って決めた。

一見したデザインはシンプルだが、着てみると細部にまで
こだわりがある、1.5倍くらいスタイルがよく見える
まやかしスーツを購入...

この晴れの日に、私はまやかしスーツに身を包み
慣れないヒールを履いて式に臨んだ。

くだらない式が終わり、まだ友達が出来るわけでもなく
私は、そのままの格好で1人、大型書店に行く事にした。
この大型書店には、私の田舎では出会えるはずもない本が
あちらこちらに並び、まさにパラダイス。

私はアドレナリンを大量に噴出しながら、目を血走らせ
広い店内を駆け回っていた。
私の脇にはすでに数冊の本が挟まれていたが
この状態になった私にはもう抑制は効かない...
更に、前から欲しかった本を探し当て手に取った瞬間...

脇に挟まれた本が落ちた...
急いでそれを取ろうとした時、更に別の本が落下。
仕方がないので、しゃがみ込み本を拾うしかない...
私は、いつもの調子で勢いよくしゃがんだ。


ビリリ〜ッ


......やってしまった....

スーツは、かなり細身のデザインでスカートは特にフィットしすぎて
いた...無理無理押し込んだわけなのだが
この「まやかしスーツ」のツケは大きかった...
後ろには、元々15センチ程のスリットが入っていたのだが
恐らく、そのスリットに沿ってスカートが真っ二つに
割れてしまったに違いない...

どこまで割れてしまっているのか
私は、家に帰ることが出来るのだろうか...
少しぐらいならいいさ..パンツさえ見えていなければ
何とかなるだろう...

私は持っていたバッグをお尻に当てながら
トイレを探した。

なぜか...鏡がなかった...
鏡はあったようだ。かつて...
しかし、その時そこに鏡は掛かっていなかったのだ。
自分を罵りながら、私は個室の中で後ろを振り返り
自分の手を当て、どれくらいの被害があったかを確認。
大丈夫だ...あの音でかなりの被害が予想されたが
最小限の被害にとどまっているようだ。

少なくてもパンツは見えていない...だろう

これで私は、もう少しここで本に囲まれている事が
出来そうだ。

私は、スキップでもしたい気分だった。
すれ違う人1人1人に

「ありがとう♪ごきげんよう♪」

そう言って投げキッスをしたいくらいのテンションであった。
説明のつかない、とてもスッキリとした爽快な気分...


もう、誰も私を止める事など出来っこなかった。

更に2冊の本を選んだ頃にはすでに外は薄暗くなっており
時計をみると、本屋に入ってから6時間が経過していた...

少し我に返った私は、周囲の様子がおかしいことに気がついた。

私とすれ違う人は、私を見ないように見ないように
細心の注意を払っているようだったし
遠くからこちらを見ている人は、私と目が合った瞬間
ものすごい勢いで、本を探している事をアピールしだした。

不自然である...

そこでまた気がつかないのが私が私である所以...


たくさんの本を抱えた若いおなごが物珍しいのであろう

私はそう判断した。

レジに向かって歩いている途中で、エプロン姿の女性と目が合った。
エプロンさんは、私を以前から知っている様子で
とても残念そうに私に小声で話しかけた。



お客様...すみません...

は.はい..??

あのですね、申し上げにくいのですが...スカートが...


ここで私は、はじめて周囲のあの視線の意味を悟った

スカート...そうだ...もっと早く気がつくべきだった。

だって、スリットが割れたのだ。

鏡で確認する事が出来なかったんだ...

私は、これくらいなら大丈夫と思ったけど

大丈夫じゃなかったのかもしれん...

もしかしたら、パンツが見え隠れしているのかもしれない。


店員さんがスカートが...と言った瞬間に
私は頭の中でコレだけの事を考え、同時に両手に抱えた本を
近くに投げ捨てるように置き、手をスカートの後ろへ当てた。
素晴らしい回転だった。
完璧な行動であった。
後にも先にも、あんなに華麗なる一連の動きをしたことは
なかった。



ない


........意味がわからなかった...


残念そうなエプロンさんが


お客様...ちょっとこちらへ...

と、私を急いで小部屋に連れ込む。


私...お客様に何度も話しかけたのですが

もしかしたら、失礼ですが聴覚に障害がおありになるのかと...

それでですね...$%`*??


何だか、やたらと残念なエプロンさんが饒舌に喋っている。

しかし、その間に全てを悟った私は
私はこれからどうすべきか考えていた。





私のスカートは


ストッキングの中に


入っていたのである




店内で、エプロンさんに話しかけられた時は
驚いた。華麗なる動きで確認をした際に、後ろ側にあるはずの
布がなかったのだから...

しかし、事態はそんな生易しいものではなかったのである。











私のスカートは、すっぽり



ストッキングの中に



入れられていたんだ






前も後ろも、綺麗さっぱりピシッと!!


あたしは、この世にも間抜けな姿で
ごきげんよう♪をかまそうとしていたのか...

あたしは、この一歩間違えると警察沙汰の姿で
一心不乱に本を選んでいたのか...



エプロンさんが、更に残念そうに


お客様...本当に気がつかれていなかったんですね...


と、哀れみにも似た言葉を発した。


あの、トイレを出た瞬間の説明のつかない妙に軽くなったような
爽快感...
私は、もうあの感覚を2度と忘れまいと心に誓った。

そして、数時間かけて選んだ本を買うのを忘れ家路に着いた...

すみれ18歳の春...

こんな失敗はまだ序章に過ぎなかった。










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2007年4月17日の記事

ズタボロ騒動すみれ6歳の春

2008年6月1日再公開しました。





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