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ズタボロ騒動すみれ6歳の春

こんな話を聞いたことがある。
自分が産まれた日の天気は、その後の人生に大きく関わってくると…
私が産まれたのは、11月の初めだったが、大雪だったそうだ。

雪国だったので、ありえないことではない。
しかし私と雪には恐ろしいほどの縁があり、何かの節目には
必ず大雪に見舞われるのが、定番なのである。

自分の結婚式も大雪だった。
私の現在住んでいる場所は、殆ど雪は降らない。
たまに降っても積もる事はなく、雪だるまを作るなんてことは
この辺のちびっ子達にとっては、夢のまた夢なのだ。

しかし、雪はやって来た…

結婚式当日の朝…テレビでも、外でも大混乱たった。

「10年ぶりの大雪に見舞われて…」


「すべての交通機関がストップ…」




すべての交通機関がストップ!!?



私はすぐに実家の母に連絡をした…
母達もパ二ックになっていたらしい…

仕事の関係で、前日に関西入りが出来なかった私の家族や
親戚達は、当日の朝に飛行機で来る予定であった。

式は午後3時からだったが、新幹線も動いていない状態である。

幸い、私達夫婦が最後の組であった為に
ホテル側の配慮で3時間遅れで式をすることができた。

やれやれである…

しかし、それだけではない。
ここに挙げているのはほんの1部である
結婚式に絞って、例を挙げてみよう。

それは弟の結婚式でも

妹の結婚式でも起きた…

(みんな揃いも揃って冬に結婚しなくてもいいと思うのだが…
余談だが、ウチの両親私達夫婦と、弟夫婦は、全く同じ日に
結婚式をしている…
意味不明!!誰もそんな事を合わせていない
単なる偶然なのである。)

私は、妹の時も弟の時も雪の為に飛行機に乗れなかったのだ…
もしものことを考えて、前日に行動していたので
式に遅れることはなかったのだが
とにかく雪…私が勤くと雪が降る…

家族や、親戚達にはそう決め付けられている私であった。

さて、本題…(今からかよ~っ!!)


私の小学校入学式…
その日も雪はやって来た…

4月の初めだというのに、ドカーンと気持ちのいい大雪である。
アスペな母は、その日には着物を着ていくと決めていたので
なかなかスーツに変更する気持ちになれずに
朝からパニ<っていた。

機嫌の悪い母は、入学式用に祖母が買ってくれたピンクの
ワンピースの上に、コートを羽織るのを嫌がった私を罵っていた。
しかし、せっかくのお気に入りのワンピースがコートで
隠れてしまう事は、私にとって受け入れがたく...

しかし、母の言う事は絶対であったために
私はしぶしぶコートに袖を通した。


式が終わり、教室で先生のお話を聞いているときに
私は、自分の机の中にあるお道具箱を開けた。
中には、新品のハサミや糊やクレヨンが入っており
ワクワクドキドキの新品の香りがした。

私は、ハサミを持つと何でも切ってしまう癖があったために
家でハサミを持つ事を母は嫌がった。
しかし、このお道具箱には自分専用のはさみがある。
私の心は躍った。
先生の話なんてちっとも耳に入っていない。

すると、隣の席の男の子も私の真似をして
お道具箱を開きはじめた。
2人でガサゴソしていると、後ろに立っていた
私の母と男の子の母がたまらず寄って来て、私達に注意をした。

母の顔は尋常じゃない怒りに満ちていたので、私はすぐに
お道具箱をしまった。
しかし、私ははさみだけは片付けなかった。
どうしても、持っていたかったのだ。

ハサミを持つと、何かを切りたい…

しかし、適当な紙はなかった。
教科書を切ったらいけないというのは、ちゃんとわかっていた。


そうだ!

私は閃いた!!

自分の着ている可愛いワンピースをもっと可愛く出来ないか
考えたのだ。スカートの裾をギザギザにカットしたら
お姫様のドレスみたいになるかもしれない…

私はそ-っと、スカートにハサミを入れた。

ジャキン。
新品のハサミはとてもいい音でスカートを切り裂いた。

私は、そ-っとそ-っと、その作業を続けた。

しかし、隣の真似っ子男がかなりの動揺をみせてしまった。
私の行動に相当なショックを受けたようで
どうしていいかわからずに、あちこち見回して誰かに助けを
求めるような素振りをしていたようだ。

現れたのは、先生ではなく鬼と化した母であった…

母は、私の手からハサミを取り上げ
自分のバッグにしまいこんだ。

そして…

帰ったらわかってるだろうな…
の睨みをきかせ、また後ろに戻っていった。

私は、それがいけないことだとそこで悟った…
可愛くしようと思ったが、確かに可愛くなんてなっていなかった。

あんたって子は…

何を考えているんだ…

先生の話なんで聞けないの?

せっかくおばあちゃんに買ってもらった洋服…



帰りの駐車場に向かう道すがら
私を小突きながら、母は思いつく悪態の限りを吐き出した。

しばらく歩くと、駐車場に着いたが母の怒りは冷めやらず

馬鹿だ…本当に… 落ち着きがない…

ぶつぶつ言いながら、うちの車を横切った。
私は、一瞬......
うちの車に乗る前にどこかに用事があるのだと思ったが

母は鍵を手に、明らかに車を探していた。
血眼だった…

通り過ぎた事を伝えようと思ったが
口を開<と殺されそうだったので、我慢した。

ただ、ひたすら母の後を小走りでついてまわる…

あちこち刻んだスカートの隙間から入り込む風が
とても冷たくて、母に対する恐怖が増長した…

母は、やっと自分の車の存在に気がついたが
その頃にはすでに駐車場には私と母しかおらず
私の身体は冷え切っていた。

すると…母は、雪の上に座り込み

泣き出した…。

私は、初めて母が泣いている姿を見た。

母は結局、悩んだ挙句に着物を着ていた。

雪の上で、しかもタイヤの跡や泥がたくさんついた駐車場の
地面の上でうずくまり泣いていた。

母を悲しませたのは私だから、私も泣いた。
母がかわいそうだと思った。
もう、母に対する恐怖も寒さも忘れていた。

ひとしきり泣いた母は、着物についた泥や雪を適当に払い
私を車に乗せて、突然写真館に向かった。
私も母もボロボロだった。
しかし母は、私と2人で写真を撮った。
写真館の人が、洋服を貸しましょうか?
と聞いてくれたが、母は断わった。

母にどうして、急に写真を撮ったの?と聞いた。

母は、今日のことを忘れないためだよ…と笑った。

そして....

すみれが忘れないようにじゃないよ。
お母さんが忘れないようにだね。
と付け足した。

私はそれ以来、その写真を見たことがないし
私はそれ以来、母が泣いた所を見たことがない

入学式の時期が来ると、毎年鮮明に思い出す
ちょっと切ない30年前の思い出。

モモの入学式の晴れやかな姿の写真を見て
母も思い出しているのだろうか…


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モモの入学式

モモは無事入学しました。

ピカピカの一年生です。

実は入学式の直前に、モモがはじめての学校での入学式に
不安を覚えないように、予行をしてくださるという
ありがたい申し出が学校側からあったが
その日は療育の日...
悩んだ結果、療育に行く事にした経緯があったので
多少の心配はありました。

受付付近に、幼稚園でお世話になったS先生と主任先生がおり

おかあさん!おかあさん!モモちゃん出席番号1番ですよ

へぇ~~~1番なんて!ウチの苗字でも1番になることあるんやねぇ...
(あいうえお順)
変に感心しながら、席についた私...


では今から、新入生の名前を読み上げます。
呼ばれたら大きな声で返事して立ち上がってください。

1年1組...








まさか.....!!!



入学式





1年1組河嶋モモ





うぎゃふっ...(すみれの心の声...)



これだ...!!

何故S先生があれだけ「1番ですよ!」と興奮されていたのか
その瞬間になってやっと悟った。


モモは、モモは..........


はいっ!

と大きな声で返事をした。


そしてきちんと立ち上がったようだ...


私の席からは、モモの頭も見えなかったが...


ただ、唯一私の席からは小学校の先生方の席は見える。
特学の方の担任の先生が、モモを見て何度も頷いている姿が見えた。
それで、私はモモがきちんと立っているのだろうと推察できた。


1年1組1番....


なんて気持ちのいい並びだろうか...
教科書の名前を書く時に、あんなにワクワクしたのも
はじめてかもしれない。

その後...S先生と話す機会があった。

モモは、式の途中で来賓の席に座るS先生の方を見て頷いたそうだ...

先生は、私の気のせいかもしれませんが。。何だか

先生私、大丈夫だよ!!頑張って小学校にいくからね

って言ってるような気がしました...

と、嬉しそうにおっしゃっていた。

気のせいではない。モモは心の中でそう言ったのだ。
私にはわかる...
大好きな幼稚園のS先生や、主任先生に見守られながら
迎えた晴れやかな日...。

とても幸先のいいスタートとなった。











ふわりんさんの記事からの収穫

いつも温かいコメントをくださるふわりんさん
のブログにて、こんな記事を目にした。

http://ameblo.jp/fuwafuwaame/theme-10001729380.html

この記事を読んで...正確に言うと、このお返事を読んで
ちょっくら胸が痛んだのは私だけではないはず。
うう...難しいね。

何と表現したら良いのやら...
こういった、柔らかい物の言い方は時に
罵倒されるより傷ついてしまう事がある。
絶対に何が何でも揺るがない意志の強さが奥底に見えて
私は身震いしてしまうのだ。

私は微妙な言い回しがとても苦手である。
それと、こんな技法...
褒め殺しの中に毒針を仕込むようなやり口。
(あくまでも私の尺度で)
ダジャレや、ジョーク(アメリカンな(笑))も
ほぼ通じない...エイプリルフールなんてクソ食らえである。
私をよく知っている方は、私に理解力がないことを知っている。
抽象的な言い回しや、遠まわし...理解できる力がないし
それで、すれ違ってしまう事が多々あった。子供の頃から...
未だに、周囲が笑っている理由がわからずに孤立する事がある。


誤解しないで頂きたい...私がお邪魔するHPはほんまに少ないが
その中にも数人
抽象的な表現を記事のスタイルとして使っている人がいらっしゃる。
(褒め殺しの中に毒針を仕込むような人間は皆無。抽象的な記事を書いてる人って逆にコメントは直球が多いのが笑える。)
でも、わたしゃその記事を書く人間が好きだから読みに行く。
自分なりに理解できたら、コメント入れるし
理解できなかったら、ずーっとコメントしないこともある。
私からコメントなかったら、あまりにも高尚な内容過ぎて
コメント出来ないんやな~
すみれの馬鹿め~~ッ!と思ってくださいっ。

また、話が逸れたけど

こんな出来事を思い出したので、書いておこう。

モモが友達に一緒に遊ぼう!と誘うとする。
友達は、遊びたくないのかほんまに用事があるのか
わからないが
遊ばれへん~と答える。
モモは遊びたいので、なんで??なんで??
遊ぼ!遊ぼ!と言う。
友達は用事があるから...という。

するとモモは用事って何か理解できない。

用事いや。遊ぼ!となる。

しまいに、どうしても遊べない事を悟ると
明日遊ぼ~!!となる。

それを見ていたとてもおとなしく
優しい雰囲気のママ友達がこう言った。

モモちゃんのしつこさ...すごいの。
ちょっと尋常じゃないかな...なんて思ったりして...
子供らしいなぁって思うけど
いい所もあるんだけどね。
ちょっと大人の私でも引いちゃうかも~~


この発言は障害がわかる前である。

更にこのママ友はモモの障害がわかった後
こう言った

モモちゃんの行動が、障害の特性だってことは
わかるんだよね。何て言ったらいいか
仕方がないことだとは思うの。
モモちゃんは天真爛漫で悪意のかけらもないんだよね...
可愛いと思うんだけどね
その行動に振り回される周りの子の気持ちも
ちょっぴりでいいので考えて欲しいな...♪


断わっておくが、私はこのママ友に
この話をいきなり切り出されたのだ。
モモの行動について相談した上での助言でもなく
モモが、この話の前後に誰かと遊んで嫌な思いをさせた訳でもない
モモは、障害がわかってから友達と遊ぶ事は1度もなかったのだから。

ママ友の言う事はごもっともなのだ。
まさに正論である。
私なんて我が子の発言に毎日ドン引きやし...
周囲に迷惑をかける事は嫌いじゃ...


私は、私の目の届く範囲でしか
モモを遊ばせないようにしていた。
帰りに遊ぼう遊ぼう!と言って誰かを困らせるのは嫌だから
歩いて帰らせずに、園からすぐに車に乗せて連れ帰った。

私にこれ以上どうしろと...?

いきなりそんな話を切り出されても戸惑う...

え!!何かしたんですか...?
と私は聞いた。

ううん。別に何もなかったけど...
これからの事。
きちんと相手の事考えて行動出来るようにならんとね。
だってどこから見ても障害があるようには見えないし
きっと何度も言ったらわかってくれるよ。すぐに。



世の中の誤解。
障害という言葉を言ってはいけないとか
何の障害を持っているのか聞きたいけど聞けないとか
障害がある事を前提に話をするのが失礼にあたるんじゃないか
とか...それって誤解だと思う。
もちろんTPOはある。
聞くタイミングであったり、話し方であったり
最低限のマナーを守れば
たいていの人はそんな事で怒る事はないと思う。

私だったら、誠意を持ってそんな質問をしてくれる人がいたら
嬉しく思う。少なくても無関心ではない事はわかるし
そんな事が失礼だなんて障害がわかる前から思った事もない。

そんな事に神経を使うのなら
理解もせずに、理解をしようともせずに
わかったようなアドバイスをするのだけはやめて欲しい。

事件は現場で起きているのだ!!(古い?)


しかし、ふわりんさんの友人へのお返事は
天晴れである。
彼女は、棘のある言葉に棘のある言葉で返したくないと
下のような返事をしたそうだ。


子どもにとっての課題は それぞれ一人一人違うと思っています。
ふわりにも私にも直すべき点がたくさんあると思っています。
ふわりは問題が起こったとき 一人で解決できる力がなかったので
一つ一つ私が対処していくようになって
わずかながらですが成長してきました。
でも私は自分の育児に自信がないので これからもアドバイスを下さい。


私だったら、このような返事が送れるだろうか??

100パーセント無理である。


目には目を!
どこかに反撃を入れる無駄な努力をする。
チクリ...は苦手なので、その反撃は大打撃となり
相手にいつも激怒されてしまうのだが...

でも、そんな自分も変えていかなければならないだろう...
相手の事を疑問に思う前に、自分の姿をよくよく見なければ
なるまい。
そんな事も反省できた私にとってとても収穫の多い記事であった。
ついつい、子供の事になると相手に寄り添って物を考える事が
難しくなりがちだから...





頭が悪いの?

今朝は事情があり5時起きの私...
ボーっとリビングに入り、とりあえず天気予報を見ようと
テレビを点けた。

目を覚まそうと思うが、なかなか目が開かない。

あと10分...いや、5分でいい。

這うように暖房を点け、そのまま床に転がり
夢を見かけた瞬間...



おかあさん


おかあさん!




うひゃっ!!モモの声である。


も~ちゃん!!どうしたの??起きてしまったの?

も~ちゃん、起きてた。


...確かに、テーブルの上にはモモの言葉を裏付ける証拠の品が
並んでいる。

折り紙の残骸

散乱したお絵描き

自分で用意したお茶と、こぼした液体を拭こうと
持って来たであろうタオル

そして...暗い部屋に電気を点けようとして失敗したらしい
踏み台がスイッチの下に移動していた。



一体...一体何時に起きたのだ?



見ると、散乱したお絵描きの中に
自分の知っている文字と、数字がたくさん書かれている
紙も数枚あることに気がついた。


も~ちゃん、お勉強してたん?


私の問いには答えず、モモは黙々と何かを描いていた。

私もそろそろ行動を開始せねばならない。
掃除を始めた私に、モモがポツリとこう言った...




も~ちゃん頭悪い?




手元の紙に視線を落とし、モモは何かを考えている様子...


ううん...そんなことないよ!モモは頭がいいよ。

ほんま?でも...悪いやんか


掃除をしている場合ではない...

モモは、入学式を前に不安を覚えているのだろうか...


モーちゃんは、頭悪くない


お父さん悪いって言った。
おばあちゃんも...



モモは、たくさん字が書けるようになったよね?
いつも勉強してエライもんね。
もうすぐ、S先生(元幼稚園担任)に手紙が書けるじゃない!

それに、モモは....

それに、モモは...


私は思いつく限りの、モモの頭が悪くないという材料を
引き出し熱弁をふるっていた。





シカク?




シカクってなんだ??

シカクって...なんだ??





資格



???????



死角




!!!!!!!


刺客




!!!???




し...しかくって...?



何のシカク?..




朝のボーっとした頭を出来る限り回転させて
何と聞いたらいいのか、私は考えていた。

おや...?


モモの手元にある紙には大きな丸が描かれている。

もしかして...??




頭丸い?









と、聞きたかったんじゃない?


モモさん...

あなたの頭は丸いです!!

私の心は晴れ渡り、眠気も一気に吹き飛んだ。

モモは嬉しそうに自分の似顔絵の続きを描き始めた。



今までモモの話を
私はどれだけ本当の意味で理解してきたのだろう。

モモのいい間違いに気がつく事無く
話は、私のペースで一方的に進められる事が
多かったのではないだろうか。

そんな会話は、障害の有無に関係なく良くある話だとは思う。

しかし、それがこの子達にとったら
私達に想像もつかないくらいの頻度で起きているのかもしれない。

今朝は、たまたま答えを導き出す事が出来たが
毎回完璧に答える事は不可能だろう...

でも、この子が人と話す事を関わる事を
あきらめる事がないように

私も頑張る事をあきらめない。








最近、あまり良い精神状態ではありませんが
ランキングを見て、更新する元気が出ました。
みなさん、本当にありがとうございます。
それから...ここ数日どこにもコメントを
残す事ができませんでした。
コメントを頂くばかりで申し訳ありません...
入学式が終わったら、ゆっくり伺いますね。






アドレナリンに御注意...すみれ18歳の事件簿

あれは、私の専門学校入学式の日の出来事だった。

18歳の私は、憧れの東京で新しい生活を満喫しておった...
入学式に着るスーツは、何日もかけて
パルコなるものや、ラフォーレなるものや、伊勢丹なる
私の中では 東京へ来たらここへ行くべさ... と決めていた
デパート(爆)を巡って決めた。

一見したデザインはシンプルだが、着てみると細部にまで
こだわりがある、1.5倍くらいスタイルがよく見える
まやかしスーツを購入...

この晴れの日に、私はまやかしスーツに身を包み
慣れないヒールを履いて式に臨んだ。

くだらない式が終わり、まだ友達が出来るわけでもなく
私は、そのままの格好で1人、大型書店に行く事にした。
この大型書店には、私の田舎では出会えるはずもない本が
あちらこちらに並び、まさにパラダイス。

私はアドレナリンを大量に噴出しながら、目を血走らせ
広い店内を駆け回っていた。
私の脇にはすでに数冊の本が挟まれていたが
この状態になった私にはもう抑制は効かない...
更に、前から欲しかった本を探し当て手に取った瞬間...

脇に挟まれた本が落ちた...
急いでそれを取ろうとした時、更に別の本が落下。
仕方がないので、しゃがみ込み本を拾うしかない...
私は、いつもの調子で勢いよくしゃがんだ。


ビリリ~ッ


......やってしまった....

スーツは、かなり細身のデザインでスカートは特にフィットしすぎて
いた...無理無理押し込んだわけなのだが
この「まやかしスーツ」のツケは大きかった...
後ろには、元々15センチ程のスリットが入っていたのだが
恐らく、そのスリットに沿ってスカートが真っ二つに
割れてしまったに違いない...

どこまで割れてしまっているのか
私は、家に帰ることが出来るのだろうか...
少しぐらいならいいさ..パンツさえ見えていなければ
何とかなるだろう...

私は持っていたバッグをお尻に当てながら
トイレを探した。

なぜか...鏡がなかった...
鏡はあったようだ。かつて...
しかし、その時そこに鏡は掛かっていなかったのだ。
自分を罵りながら、私は個室の中で後ろを振り返り
自分の手を当て、どれくらいの被害があったかを確認。
大丈夫だ...あの音でかなりの被害が予想されたが
最小限の被害にとどまっているようだ。

少なくてもパンツは見えていない...だろう

これで私は、もう少しここで本に囲まれている事が
出来そうだ。

私は、スキップでもしたい気分だった。
すれ違う人1人1人に

「ありがとう♪ごきげんよう♪」

そう言って投げキッスをしたいくらいのテンションであった。
説明のつかない、とてもスッキリとした爽快な気分...


もう、誰も私を止める事など出来っこなかった。

更に2冊の本を選んだ頃にはすでに外は薄暗くなっており
時計をみると、本屋に入ってから6時間が経過していた...

少し我に返った私は、周囲の様子がおかしいことに気がついた。

私とすれ違う人は、私を見ないように見ないように
細心の注意を払っているようだったし
遠くからこちらを見ている人は、私と目が合った瞬間
ものすごい勢いで、本を探している事をアピールしだした。

不自然である...

そこでまた気がつかないのが私が私である所以...


たくさんの本を抱えた若いおなごが物珍しいのであろう

私はそう判断した。

レジに向かって歩いている途中で、エプロン姿の女性と目が合った。
エプロンさんは、私を以前から知っている様子で
とても残念そうに私に小声で話しかけた。



お客様...すみません...

は.はい..??

あのですね、申し上げにくいのですが...スカートが...


ここで私は、はじめて周囲のあの視線の意味を悟った

スカート...そうだ...もっと早く気がつくべきだった。

だって、スリットが割れたのだ。

鏡で確認する事が出来なかったんだ...

私は、これくらいなら大丈夫と思ったけど

大丈夫じゃなかったのかもしれん...

もしかしたら、パンツが見え隠れしているのかもしれない。


店員さんがスカートが...と言った瞬間に
私は頭の中でコレだけの事を考え、同時に両手に抱えた本を
近くに投げ捨てるように置き、手をスカートの後ろへ当てた。
素晴らしい回転だった。
完璧な行動であった。
後にも先にも、あんなに華麗なる一連の動きをしたことは
なかった。



ない


........意味がわからなかった...


残念そうなエプロンさんが


お客様...ちょっとこちらへ...

と、私を急いで小部屋に連れ込む。


私...お客様に何度も話しかけたのですが

もしかしたら、失礼ですが聴覚に障害がおありになるのかと...

それでですね...$%`*??


何だか、やたらと残念なエプロンさんが饒舌に喋っている。

しかし、その間に全てを悟った私は
私はこれからどうすべきか考えていた。





私のスカートは


ストッキングの中に


入っていたのである




店内で、エプロンさんに話しかけられた時は
驚いた。華麗なる動きで確認をした際に、後ろ側にあるはずの
布がなかったのだから...

しかし、事態はそんな生易しいものではなかったのである。











私のスカートは、すっぽり



ストッキングの中に



入れられていたんだ






前も後ろも、綺麗さっぱりピシッと!!


あたしは、この世にも間抜けな姿で
ごきげんよう♪をかまそうとしていたのか...

あたしは、この一歩間違えると警察沙汰の姿で
一心不乱に本を選んでいたのか...



エプロンさんが、更に残念そうに


お客様...本当に気がつかれていなかったんですね...


と、哀れみにも似た言葉を発した。


あの、トイレを出た瞬間の説明のつかない妙に軽くなったような
爽快感...
私は、もうあの感覚を2度と忘れまいと心に誓った。

そして、数時間かけて選んだ本を買うのを忘れ家路に着いた...

すみれ18歳の春...

こんな失敗はまだ序章に過ぎなかった。







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