マルの話
次のページ泣いてもいいよ
2008.05.20
うおおおおおおおーーーーーーーーんんんん!!!どこか、とても遠くの方から、犬の遠吠えが聞こえる。
その遠吠えが近づくにつれ、人間の泣き声→子供の泣き声→モモの声ではないか!?
と私が認識した頃には、もううちの真下の道路をマルがモモを背負い横断している
最中であった。
近くに住んでいるおばあちゃんの家に用事があって出かけた帰りだった。
自転車で出かけたはずだが...マルがモモをおんぶして歩いているということは...!?
私は急いで、外に出ようとしたが...そんな時に限って役員関連の連絡が入り
何とか、話をすぐに切り上げたのだったが、時すでに遅し...
猛獣の鳴き声は、我が家の玄関ドアの向こうに迫っていた。
急いでドアを開けると、マルがモモを背負い3階まで上がって来た所だった。
お母さん!!とりあえず自転車と荷物を取りに行って来る!
モーちゃん転んだの!!消毒してあげて!!
モモは腕を押さえながら、猛獣のように鳴き狂い
興奮するとすぐに出る鼻血まで噴出してきた。
ああええおおおおええええおおおおええええーーーーーーっっ
ゴホッゴホッ うええええおおおおおんがああああーーーー ゴホッゴホッ
ティッシュを渡すと、慣れた手つきで自分の鼻の穴のサイズに合わせて
ティッシュをキュッと丸めるのだが、その時だけは 泣き止んだのが妙に可笑しい...
頭は打っていない。見たところ腕の擦り傷と、膝も何箇所か軽く擦ったようだ。
モモを抱っこして、私は自転車に乗れるようになったばかりなんだから
転んでしまうのは仕方がないと慰めてみた。
モモは、とても慎重な人間で、まず転ぶようなことはない。
転ぶのが嫌だから、1歳7ヶ月まで歩かなかったと言っても過言ではない。
何たって、いきなり完璧にスタスタ歩いたのだから。
人一倍痛いことが苦手なのと、転んでしまったという自己嫌悪と
想定外の出来事に、完全にパニック状態に陥っている。
どう見ても軽症なのだが...本人は、歩けないらしい...
腕が痛いはずなのに、マルにおんぶされてどのくらいの距離を歩いてきたのだろう。
3階までの階段を上がるだけでも大変なはずなのに。
子供達が帰ってきたら、すぐにお風呂にするつもりで準備をしていたので
とりあえず、お風呂に入ったら消毒してあげるわ。と、私は言い
夕食の準備の続きをしていた。
モモの泣き声は、お風呂と聞くや否や更にパワーアップし
私も冷静さに欠けた。
モモー!!お風呂は入らないとならんよ!
それくらいの傷なんともない!! お願いだからちょっと静かにしてよーーーー
マルが帰ってきた。
お母さん!消毒してあげた?
ううん〜。だってすぐにお風呂入るもん。入ってからでいいんじゃない?
それにしても、モモの泣き声はたまらん!!
聞いてるこっちが、泣きたくなる。
ほら〜!お風呂入るよーーーーー
ぎゃあああ!!いやだああああああ!!!
マルは、ガーゼを出してきて水に濡らし、モモの傷を軽く拭き始めた。
ほら、痛くないでしょ?大丈夫?
ぎゃあああ痛いーーーいだいーーーー!!
子供の頃の私を思い出す...
私も痛さに弱かったっけ...
痛いのに弱いのと、転ぶという予期せぬ出来事に驚いてしまい
泣いてしまうんだよね〜
わかるよ...うん。わかるよ〜〜〜〜
でもね...うるさい!!
もう一度、うるさいの〜!!と言おうとしたその時...マルが言った。
泣いてもいいんだよ〜!!思いっきり泣いていいよ〜
怖かったね。痛かったね。
うおおおおおおおーーーーーーーんんんんんん!!!
コイツは、コイツはあああ!!
自分の絵を真似したとか、遠足のお菓子の残りをくれないとか
そんなことで、モモを怒るくせに〜
ええこと言うやん〜〜〜〜!!うおおおーーーーーん。

モモが赤ちゃんの頃からそうだった。
毎日泣き続けるモモに、ノイローゼ寸前だった私の横でマルはいつも黙っていた。
黙っていつも、モモの事を心配そうに見つめていた。
うるさいって言葉、1度も聞いた事がない。
おおおおおおおーーーーーんんんんん。
チーーーン(鼻を咬む音)
あら...??あらら....????
いつの間にか、モモが泣き止み.....2人がこっちを凝視しておる。
目が合った瞬間、吹き出す2人...
まただよ...また泣いてるよ...コソコソ....
情緒不安定でごめんねええええ〜〜〜〜〜
夕食時........自分と同じ順番で食べるからと言う理不尽な理由で
モモに向かい突然怒りだしたマル。
何でや!何で、マルがご飯食べると、モモもお茶碗持つねんっ!!
何で、お味噌汁飲むと、モモは急いでお味噌汁飲もうとするねんっ!!
真似すんな〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!
モモ :「イヒヒ」
ムカつく〜〜〜〜!!
と....言いながら、テーブルの下で思い切りモモの足を蹴った。
モモが、思い切りマルを睨み....
もうマルちゃんなんかと、絶対に遊んであげへん!!フンッ!!
マルちゃんなんてなぁ・・・・・・ウンコでオナラや!!(←モモの最上級の罵り(ただし、食事中...))
マル:うるさい〜〜〜〜〜っ!!黙れ!!
言ってた....うるさいって言ってた...
しかも、こんな 些細なことでさぁ....(笑)
人間それぞれ、不快感も怒りのツボも、多種多様。
マルちゃんの宿題
2006.11.27
マルは国語が特に苦手である。毎日かなりの量の宿題があり、漢字は必ずある。
そして毎日1つは、新種の漢字を創造する。
ある意味...天才かもしれない。
マルは、先日も世紀の大発明をやってのけた。
凡人には決して浮かぶことのない
部首と部首を合体させる荒業だった...
辶に彳を合体させたのだ!
それが
ノートいっぱいに
書かれていたのだ!
正直これには眩暈がした...
夢か幻...自分にそう言い聞かせた。
思い切ってマルに
「これ、何て読むの??」と質問してみた。
マルは..
えへへ〜わかんない
......そりゃ〜わかるわけがございません。
1つ書くだけでも相当なサプライズである。
これをノートいっぱいに書いて、気がつかなかったのか...!!
そして昨日のことだった...。
ドリルのようなものをやっていたマルちゃん。
お母さん!簡単だった〜
目を輝かせて持って来た。
「あ〜すごいすごい!よく出来てるやん〜」
それは1学期にやったものだったので、なんとか全問正解であった
.......ちょっと待て..落ち着け私..
この答え..見逃してしまっていたけど違うやん!!
明らかにおかしいやんっ!
なつ休みに入った日の
お昼はどきどきでした。
......はぁ??
質問は
「すすむちゃんが、ムンにはじめて会ったのはいつですか?」
正解は
「なつ休みに入った日の お昼どきでした」である。
そりゃ、夏休みに入った日は浮かれてドキドキもするけどね...
イジメはあかんよ〜
2006.10.17
福岡で起きた事件、かなり大きく報道されていますね。教師に「お前が殺したんだ〜!」
って叫ぶ父親の様子も何度も流れていました。
あの気持。子を持つ親なら理解できますよね。
私は、もし自分の子が事件に巻き込まれたら
犯人を探し出して絶対に復讐すると思う。
自殺に追い込まれたら...やっぱり同じことかな。
昔「人間失格」ってドラマで
確か、そんな場面があったような気がする。
子供になにかあったら、親は鬼にもなれますよね。
私は、一度めちゃくちゃ理性を失ったことがありました。
多分、あれが本当の激怒ってやつで
あんなに怒りの感情が爆発したのは初めてのことでした。
今年の6月のことだったと思います。
マルが学校から帰ってくるなり、黙って自分の部屋に行きました。
ランドセルを背負ったままマルは
机の下にもぐって泣きじゃくっていました。
それまでも、その後も
マルが泣きじゃくるなんてことはありませんでした。
登下校のグループで
2年生の女の子はマル1人なので、無視やからかい
時には暴力を受けて帰ってくることもあったようですが
マルは、絶対私には言わなかったし
いつも他の子から聞いているだけでした。
私も子供の頃にはそんなことがあった。
いちいち親が介入するほどの事ではないと思っていたし
一方的に相手が悪いとは思わなかった。
でも、その日は様子がおかしい。
私は、マルに何があったのか問い詰めた!
するとマルは、みんなにやられた。
頭を水筒で殴られた。蹴られた。何人かに一斉に突き飛ばされた。
出るわ出るわ...ひどいイジメをされてきたようだ。
マルは「全員に!」と言っていた。
私は、マルが嘘を言っていないという確信があった。
まだ、間に合う。帰ってきた子達はまだ公園にいるはずだ。
私は公園に行った。ちょうど子供達が帰ってきたところで
全員が公園の階段を昇ってくるところだった。
公園には、モモの集団登園仲間のママが2人いた。
幼稚園のお迎えが終わっても話をしながら
小学生の兄弟が帰って来るのを待っていたようだ。
私は、いきなり声を荒げた。
マルをいじめたの誰?
全員が明らかに焦っていた。
何人かの男の子がそそくさと帰ろうとした。
おい...まだ話終わってないやろ
誰がやったんや?全員か?
蹴ったのは誰や?殴ったのは?
あの子が悪かったんか?
なぁ?マルがなんか悪いことしてたんやったら
言ってみいや。
私の尋常じゃない様子を見て、ママ友2人が飛んできた。
そして、それぞれ自分の息子を捕まえて
イジメに加担したのか聞き出して顔を殴り張り倒していた。
後で、別のママ友に聞いた話によると
どんなことがあったのか、その場ではよくわからなかったらしい。
でも、私の様子が尋常じゃなかったのと
普段怒らない私があそこまで怒るにはよっぽどのことが起きたと焦り
ママ友2人も理性を失ってしまったらしかった。
ママ友の子供達は、家に引きずるように連れ帰られたので
残った子に私は怒りを爆発させた。
聞く話によると、マルには何も落ち度がなかったらしい。
1年生の女子が歩くのが遅いと注意しろ!!と
2年生の男子達に命令されて
しぶしぶ「もっと早く歩いてね」と言ったらしい。
そんな注意じゃあかん!もっときつく注意しろよ!
と言われたマルは
「もっと早く歩いて」と強い口調で言ったそうだ。
そしたら、1年生の女子が切れて
水筒や、カバンで殴ってきたそうだ。
それを見た2年の男子がもっとやれ〜と、自分達も加担して
後ろからとび蹴りしたり
いっせーの!!で押したり
足をひっかけて転ばせたりそれはひどいことをしたそうだ。
我が子を褒めるのはおかしいが、マルは友達思いの優しい子である。
その中には、マルが助けた子がたくさん入っていた。
1人の子は、忘れ物を学校にしたことがあった。
マルはその子に付き添い、下校途中1キロほど引き返した。
1人にできないからと、遠回りして玄関の前まで送っていた子もいる
いじめられているのを助けた子も入っていた。
「あんたら、マルに助けてもらってたんちゃう?
助けてもらってたのに何でそんなことができるん?」
私の問いにその子達は
「だって、みんなやってた。」と答えた。
私は迷わず帰ってすぐにそれぞれの家に電話をした。
とにかく私は怒っていた。
それは今まで経験したことがない怒りでどうやっても治まらなかった。
私は昔からそうだった。
何も言わないで(気がつかないことも多い)いるか、ものすごく
怒るかどっちかだった。
笑って嫌味や、提言や、指摘なんて絶対にできない。
中間がないのだ。
いつもニコニコしているはずの私から
ヤンキー張りの恐ろしい電話を受け取った親は
とにかく平謝りでうちに謝罪に来た。
まだ1年生や2年生の子供がやったこと。
そして、ほとんどの親御さんが
きちんと謝罪して我が子に言い聞かせてくれていたのが伝わったので
学校に連絡することもしないし
これから仲良くしてくださいと、言って収めた。
それでも、私の怒りは冷めなかった。
我が子にほんの少しの落ち度があれば
こんなに悶悶とはしなかっただろう...
何も落ち度がない子を集団でいじめる。
理由は「楽しかったから」
リーダー格のお母さんだけは
決して我が子はやっていないと最後まで言い張った。
そして真偽を明らかにするために先生の介入を求めてきた。
そして、勝手に学校に連絡して問題を大きくしようとした。
学校側から連絡をもらった私は、加害者も2度としないと約束してくれたしうちもこれ以上問題を大きくするつもりがないことを伝えると
なぜかとても感謝していた。
しかしママ達が簡単な調査をしてくれてわかったのが
それが初めてではなかったこと。
そのひどいイジメは2度目だったのだ。
そして、何人かの男の子が
「めっちゃ楽しいことしたった〜」
「またやろうな〜」
と言ってたことがわかった。
今は、先生の前でも親の前でもいい子にしていて
陰で悪いことするのは当たり前になっているのか?
そしてゲーム感覚でイジメを楽しむ。
どの子も学校でも家でもとてもいい子にしている子ばかりだった。
昔のように先生に反抗するちょっと悪い男の子がカッコいいとか
そんな時代はいつの間にか終わっていたのだ。
本当に、今思い出しても身震いしてしまう。
マルの可笑しな担任
2006.10.15
マルの担任は、かなり笑える人物である。歳は30位。とても若い女の先生だ。
この先生との初めての出会いは家庭訪問だった。
実は、家庭訪問に来る前からこの先生にまつわる噂は耳にしていた。
どこかの田舎の小学校で親のクレームに遭い
こちらのほうに転任してきた...とか
担任を持ったもののやはりクレームに遭い
担任を持てず高学年の特定の授業だけを担当したが
またそこでもクレーム責めだった...とか
結局、昨年は特学の担任をしていたのだが
特学の親からの評判もかんばしくなかった。
で...その先生がやってきた。
第一印象はかなり良かった。
控えめな感じでにこやかで、自信がなさそうでとても優しそうな...
でもかなりボ〜ッとした先生だった。
子供を預けるのはちょっと遠慮したいが
友達だったらちょっと面白い人間。
突っ込みどころが随所に溢れていた。
私もなかなか話ができる方ではない。
2人で、しばらく沈黙して向き合った...
こんな時、先生のほうから話をきりだしてくれるのに困ったな...
「あ!コーヒーでも!」
いたたまれなくなった私は、コーヒーを入れに行った。
普通、学校側では訪問の際の接待を禁止している。
どうせ入れても口はつけないだろう...
飲...飲んだっ!!
この時点で彼女が、一風変わっているのは明らかだった...
でも、こういう人間が私は嫌いではなかった
そして、また沈黙..
何を話したのか殆ど覚えておらず、中身のない訪問だったのだが
時計をみるとなんと...
1時間も経っていた!!
普通、家庭訪問は10分である。
ちょっと延びても20分。
問題児で30,40分というのが
こちらの学校では相場が決まっている。
「あら、大変〜!!」
私と、先生は同時に立ち上がった。
でも先生の様子がどうもおかしい...
1度立ち上がったのに、また座っている。
もう1度立とうとするが、どうしても無理らしくまた座る。
(具合でも悪いのか...!?)
静かに覚悟を決めた先生は、スックと立ち上がる!!
そして何歩か歩くがよろめき
自分のバッグをやっとの思いで掴むとまた座ってしまった。
すいません...足が痺れてしまいました
そして、ニコッと笑った。
私はそこで、床を叩いて思いっきり笑いたかった...でも必死にその衝動を抑え
だ..大丈夫ですか..?
と、大人の対応をした。
「ええ...でも急がなくては...」
また立ち上がる。先生の足は小刻みに震えている。
小刻みに
小刻みに震えてるぅ〜
やめてくれ〜!!
私が笑い出したら止まらない。お願いだからそれ以上
震わせないで〜
先生は、激しく暴行を受けた刑事が
それでも執念で犯人を追うようなヨタヨタ歩きで
しかも足を震わせながら(ウケねらってんのかっ!)
玄関にたどり着いた...
そして一言...
恥ずかしいところをお見せしました
このことは、どうかマルちゃんには...内密に..
「わかりました。先生(早く帰ってくれ〜さっきから、我慢しすぎて、涙と開きっぱなしの鼻から、汁が出できてるんだよ〜!!早く私を楽にさせてちょーだいっ!!)マルには言いません。今日はありがとうございました」
さっきまでは、執念の追跡の刑事だった先生が
今度は、階段でリハビリ治療していた...
あ〜もう限界...
ビバ!ココセコム!
2006.08.05
あれはマルが小学校へ入学して、ひと月経った頃の出来事。いつもの集合場所へ{うちの下にある公園。歩いて数秒}向かった。
はじめは6年生が迎えに来てくれていたのだが
1人で出るようになってから 何日かが過ぎていた。
いつもは、窓から見送っていた私がその日に限って見ていなかった。
出発時間を10分程過ぎた時間に、インターホンが鳴った。
ドアを開けると4年生の男の子が二人。尋常じゃなく焦っている...
マルちゃんがまだ...*|\/%$あんな〜あんなぁ....
マルちゃんがぁぁぁ〜\:*%#
全速力で走って来たので{うち3階}息が切れているのと
焦っているのでなかなか話が見えない。
しかもメガネをしているその男の子は
漫画みたいにメガネを斜めにずれてしまっているのを治しながら手がブルブルと小刻みに震えていて
私にはそれだけで、何か大変な事が起きたと理解できた。
「マルがどうしたの?怪我した?もしかして公園にいないの?」
メガネの男の子に代わり、もう1人が答えた
いない!いないんです。家にはいない
ですか?さっきから皆で探しているんだけど...
(ハアハア)カクカクシカジカ...
その男の子が説明してくれている間に、私は頭の中を整理した。
モモがいなくなるならともかく...
マルがいなくなるということは考えにくい。
普段から1人では絶対に出歩かない事を言い聞かせて
十分わかっていたはずだからだ。
だからこそ、今は私が落ち着いて行動しなければ..
「うん。わかった。大丈夫よ!教えてくれてありがとう。皆には迷惑かけたね〜あとはおばちゃんがするから、学校に行くようにみんなにいってくれる?」
それからすぐにやるべきことは決まっていた。
マルの学年は女の子の数が極端に少なく下校時も女の子1人。
必ず男の子と帰ってきてはいるが 、いつ何時1人で帰ることに
なるかもしれないと、月額500円のココセコムを利用していたのだ。
まずは幼稚園の集合時間が来ているモモを連れて公園に出た。
足が地についているのか、浮いているのかわからないような感覚。
歩きながら、セコムに電話。
正直、電話をするだけでもかなり手間取った。
手足が異常に冷たくなっていて、手が痺れ震えていた。
電話のボタンがどうしても押せないのだ。
とても焦っていた。でも簡潔に説明しなくては...
ちょっとの時間が命取りになるような気がした。
子供がいなくなったんです ...
「わかりました。ご契約番号わかりますか?」
相手は朝も早いというのに爽やかで、とても落ち着いていた。
番号を伝えた後
まず、私の知りたい事ですが
今いる場所の他に、徒歩で移動しているのか
車で移動しているのか
を知りたいんです!
そういうのってわかるんでしょうか?
と聞いてみた。
すると、しばらくして...
「わかりましたよ。今、○○駅の近くです。」
駅!?
駅は学校の方面にあることはあるが
マルの通学路とは全く違う道に行かないと、そこには出ない...
祈るような気持ちだった。
もし車で移動していたとしたら...
次は警察の力を借りなければならないだろう。
「...わかりましたよ。お子様は今、徒歩で移動していると思われます。」
...徒歩..それだけでも、救われた...
だんだん落ち着きを取り戻してきた私を励ますかのように
セコムの方が続ける。。。
「今、住宅地に入ってます。○○さん宅を過ぎました。今○○さん宅前...ご存知ありませんか?」
だんだんと、私の知っている名前も出てきた。
「あ!知ってます。
その付近なら学校のすぐ傍まで行っているはずです。」
幼稚園の集合場所でそんなやり取りをしていたため、私の会話を
心配そうに聞いていた一人が、そのセリフを受けて
すぐに学校に連絡をしてくれた。
教頭先生が門の外に出てくださり、マルの無事が確認されたとの事
セコムの担当者に涙ながらにお礼を申し上げて
心配してくれたママ達にもお礼を言った。
みんな、口々に
セコムでそこまでわかるなんて、ちょっと驚いたよね?
車にのっているかわかるなんてすごくない?
私やったら、まず警察に連絡しちゃって騒ぎ大きくするところやったかも...
みんなの言っていることに、私も同感だった。
何より、担当者のプロの対応に助けられた。
お名前もをお聞きする余裕がなかった事を後悔している。
【追記】:マルは集合場所に、一番初めに着いたらしい。その日に限り
皆が来るのがいつもより遅くて、自分が遅れた!と焦った
マルは、走って走って追いかけていたらしい。
いくら走っても、自分の集団がいないとわかったマルは
1人で不安になり、下を向いてトボトボ歩いていたら
反対方向の駅に出てしまったそうな..
でも、その地域の集団に助けていただき
そこの六年生の班長さんと、ちゃっかり手を繋ぎルンルンで登校して来たそうです。休み時間に遊ぶ約束までして(笑)遊んでもらったそうです。
知らせに来てくれた優しい4年生の男の子にも大感謝でした。


