占い 4

閉店してどれくらいの年月が
経つのか…昭和の面影を残す
小さな喫茶店で老夫婦が私を
待っていた。

鼻にチューブをいれた
男性が噂の占い師であろう。
にこやかなお2人の笑顔に
緊張が少しほぐれたような
気がした。

準備が整ったところで
テーブルに呼ばれた。
椅子に座ろうとした時に
占い師は、私の顔を見るなり
開口1番にこう言った…。


あなた亡くなったお父さんに
性格がよく似てる…

驚いた私は、しばらく
腰を浮かせたまま
占い師の顔を穴があくほど
見つめてしまった。

占い師とは、誰にでも当てはまる
話を相手の表情やリアクションに合わせて提供するものだと
私は思い込んでいた。

親に性格がソックリだと
言うのはわかる。
そんなことは誰にでも当てはまる。
それに私の年齢なら
片親が故人になっている可能性も
あるだろう。

しかし、占い師は
”亡くなったお父さんに”
と断言した。

優しい顔で目を細めこちらを
見ているおじいさん。


しかし、まだどこかで
その通りです!
私は父に性格が似ていて
父はおっしゃり通り、亡くなって
おります。

と、素直に伝えたくない気持ちが
私の顔を能面にした。

あなた、今人生で最も厳しい時期やね…。うん。
これね、2010年の秋から今年いっぱい続くね。
もう、トンネルの出口は
見えてきてるから
あとひと踏ん張りやで。

またこんな時期は来るけどな
今ほどではないわ。
今はキツイね。


私は何も語っていない。
ただ誕生日と名前を伝えただけ。


身体の左側は守られてるね。
怪我も病気も右側ばかりやな。


私の癌は右側だった。

占い 3

最近のこと。

同僚にある占い師の話を聞いた。

うちの娘、高校生の時に子供が
出来てね…。
相手の子も高校生なのに
産んで結婚するって言う訳よ!

堕しなさいと言っても聞かず
相手の親も産んで下さいって…。


困り果てた同僚は
その占い師の下へ相談に行った。

占い師は、産むも堕ろすも
結婚するもしないも自由ですよ。
自分で決めなさいって…。


でも、お腹の子は
可愛い女の子です。

とだけ伝えたと言う。


そして産まれた孫の写真を
嬉しそうに見せてくれた。
そこには可愛い女の子がいた。


また違う同僚の話を聞けば

毎朝、仏壇を綺麗に綺麗に
磨いているのはありがたいが
あまり朝から無理して頑張らず
たまには手を抜きなさいって
言ってますよ。

と言われたとのこと。

もちろん、彼女もその占い師とは
初対面で家に仏壇があることは
もちろん伝えていないし
それに繋がるような話も一切して
いなかったと言うから驚いたものの
あくまでも私は半信半疑であった。

昔の自分なら飛びついていただろうが、今の私には何も信じることが
出来ない。

私たち崩壊した家族は
7年の間毎週日曜日には
3箇所の寺社を巡りお参りをしていた。
毎月の墓参りも欠かさなかった。
それにより良い事が起きた訳ではない。
それでも、今生きていることに
感謝して手を合わせた。

2011年になっても半年は続けた。
しかし、マルが一緒の空気を吸いたくないと出かけるのを拒否し始め
家庭内別居状態になった私たち夫婦も次第にお参りどころではなくなった。

見返りを求めていたつもりは
なかったがこうも不幸続きだと
貴重な時間をさいてまで
行く必要性が見出せなくなっていた。


さて、その占い師の話に戻る。


人には動いて良い月とそうでない月があり、そうでない時に動いた時に
私が味わったような負の連鎖に
陥る可能性が高いという。
その占い師は、それを詳しく
教えてくれいただいたカレンダーは
一生役に立つとのこと。

それは私の心を少し動かした。
更に、その占い師は肺癌で
高齢であることを知り
私は、会いに行く事に決めた。


料金は2千円だったか3千円で
それ以上は何もかからない。
なんてこったい。
安いじゃねーか。

つづく



占い 2

オープンしたてのカフェの片隅で神経質そうな痩せた中年女性が、煙草をふかしコーヒーを飲んでいた。

私が向かいの席に座ると
こちらをジッと見つめて
守護霊について語り始めた。

あなたのおばあちゃん。
働き者で畑仕事をよくする方ね。


… … …。

はぁ……。


そこでまた煙草に口をつけ
煙を吐きながら

この方は、私と同じで
霊能力を持っている方やね。

と、女性占い師は頷きながら
こちらを見つめた。


… … … 。



あの…守護霊は1人ですか?



そうや。1人の女性やね。
思い当たる?



私の父方の祖母は、確かに昔
大きな畑を借りていたことがある。
しかしながら、働き者とは無縁。

母方の祖母は、女手ひとつで
母達を育てたので
働き者ではあると思うが
畑仕事とは無縁。

霊能力など無縁の家系だったが
ひとつ思い当たるならば
母方の祖母の妹が神主をやって
いたはずだ。

3人集まれば該当するが
1人となると、違う。

説明すると、それに合わせて
くるような気がしたので
私は、さぁ…思い当たりません。

とだけ答えた。


聞きたいことはひとつだけ。
守護霊とか前世とか
私にはどうでも良かった。
2011年から続いてきた
病気、事故、身内の死、病んでいる
娘、この状況はいつ終わるのか?

更にまだ追いうちが来るのか?


そうなら、私はもう
生きてはいけないような気がする。
気力も金も思考力も何も
残っていやしない。

この占い師が
インチキだろうが
本物だろうが

私は、ひとつだけの答えが
欲しかった。

2011年から
2012年までに起こった出来事を
一覧にまとめたものを
彼女に渡した。

彼女は、うんうん
書かなくても、読まなくても
私にはわかるわ。
といわんばかりに、妙に何度も頷き
時折目を瞑り、暫く無言で
大きな溜息と共に私の目を見つめて
涙を流し始めた。


大変だったわね。
と、一言では片付けられないね。
これだけの事がこの一年間で起こる
なんて、あり得ないこと。

あなた生きてる。

多くの人は、これ全て
乗り越える前に死を選ぶか
心が壊れてしまいます。

よく生きて、ここに
来て下さいました。


私の心はとっくに壊れてるけどね。
それは見えていないのか?
私は、そんなに強い人間に見えるか?


占い師は、石を繋ぎ始め
器用にブレスレットのようなものを
作り出した。



買うつもりなんかないのに
どうしよう…。

すると、彼女はそれを
私に握らせ
家のどこに置けば効力があるか
説明した上で


お代金はいりません。
それとね、あなた…


もうね、一生分の苦難を
乗り越えたからね(^^)

これからは、よく笑って
暮らせるから。


大丈夫。


ここで、私は初めて泣いた。


欲しかった答えがそこにあった。


もう終わったから
大丈夫。
もう何も起こらない。


出まかせでも何でも良かった。
ただ、ただ私はその言葉が
欲しかったのだ。
そしたら、あと少しは
生きていけそうだったから。











占い 1

過去を振り返る作業はしんどくなるので違う話を

占いというものを信じます?
今回は2人の占い師の話。

私は、信じやすい体質で
それにハマることはなかったけれど
子供の名付けや、家を建てる際の
風水にはかなり拘った方。

風水はね、完璧に施しました。
図面作成して、風水師さんに
見てもらったところ…
直す箇所がないとお墨付きを
頂いたくらい。

でも、家を建ててから
癌になり、義父も脳出血。
マルも大変なことになり
結局、家族は崩壊した。

風水とか、占いとか
関係ないんだろうなぁって。

名前だってそうだろう。
流派とか、旧字体とかで
変わる字画も考慮し
たいていの流派で大吉となる
字画で名付けしたんですよね…。

パソコンなどなかったから
本屋さん、図書館、めちゃくちゃ
時間かけて名付けました。

大吉って(笑)

うち、2人とも障害ありますけど?

学校に2人とも行けませんけど?

自殺未遂はするわ暴れまくりますけど?



事故や大きな病気にならず
ここまで生きて来れたのが大吉


なんて、綺麗事だね。


占いなんて関係ない。
どうでもええわ。


とはいえ、人が信じるものを
否定するつもりはさらさらない。


私が離婚する前に、とある方の
紹介で占いに行くことになる。

料金は安くはなかったが
私の状況を心配して下さってのこと。
魔除けのブレスレットを
客の体調や状況に合わせて
その場で作ってくれるが
購入は強制ではないと言うことで
出かけてみることにした。

つづく

コメント

時間が空いたらiPhoneより
少しずつ書いています。
パソコンとは違うのかな。
拍手にあるURLに飛べません。
メアドも確認できません。

ごめんなさい(*T_T*)


それから、私のメアドも変更しています。
以前あったメールフォーム宛のアドレス
なくなっています。

ホームページもドメインの更新しないまま
でしたので消滅してしまいました。

ご連絡はコメント欄から
お願いします。

義父倒れる

2月には義父が脳出血で倒れた。

私の子宮の病気が
義父の脳出血の原因だったそう。
心配をかけたからだと
家族は思っていたようだ。

手術の待機中には
パニック状態の義妹が
毎日どんな食事をしていたのか?
塩分には気をつけていたのか?
と義母とコソコソ話していた。
食事を作っていたのは私だ…。


誰かのせいにすることで
気持ちが楽になるのだろう。
それならそれで良い。


気付けば昼を過ぎていた。
手術はまだまだ続きそうだったので
病院に来る前に急いで買ってきた
おにぎりや、サンドイッチを
勧めた。

その中に、お赤飯のおむすびが
一つ紛れ込んでいた。


今にして思えば不謹慎だとは
思うけれど、
私も全く余裕がなく
ただただ急いで籠に放り込んで
しまったものだったから
デリカシーがないと
文句を言われると
辛いものがあった。

あくる日より
仕事の後に毎日病院に通った。
年明けから体調はかなり悪かったが
出来る限りのことはしたかった。

ある日、義父の病室でお見舞い中に
私が倒れてしまい
病室からストレッチャーで
担ぎ出されたことがあった。

義母は

この子、持病があるんです!


と大声で叫んでいたようだ。


よほど心配しているのだろうと
周囲はみな感じていたようだが
違っていたようだ。


嫁をこき使ってるみたいで
恥ずかしいから
もう来なくてええわ。
土日に息子と来てや。


とのことだった。


私に負担をかけまいと
わざとキツイ言葉を言った訳ではない。


自分がこき使ってると
思われたくない一心で持病と叫び
さも心配しているように
振舞ってはいたが

隣の治療室で数時間休んでいた
私の顔を
見に来ることもしなかった。

この日を境に

私は、もう無理して
自分を犠牲に義母につくすのは
やめようと思った。
やるべきことはする。
それ以上のことはしない。

ただでさえ、この家にいたら
やるべきことがあり過ぎて
余裕なんてないのだから。
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